表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/233

手を握って…。 vol.086 「今の雰囲気出せる人…、いない…。」

「心!!!」

夕美子。


その夕美子の声に心、

「デスク~~。カメラマンの伊丹さん…。網膜剥離…だって…。」


「うっそ!!!」

夕美子、そして亜季、真奈香。

そして心の向かいにいる信玄も…。


夕美子、

「じゃ…、何…今の…撮影…。いやいや…、次のも…。え――――――っ!!!」


椅子を夕美子の方にクルリと…。そして目を潤ませながら…、

「伊丹さんじゃなきゃ…、今の雰囲気出せる人…、いない…。」


亜季、

「夕美子。やばいよ。カメラマン…今からじゃ、全くお手上げ。全然間に合わない。」


「なんだって…専属カメラマンが、網膜剥離…。自己管理…してるはずなのに…。」

小声で夕美子。

「とにかく、心の今の企画に沿ったカメラマン…、探すしかない。フリーだろうと…。時間がない。…心…、進捗状況は…???どこまで進んでる…???」


「まだ…、半分…。」

そして、悔しがりながら、椅子から立ち上がったものの、

また座りながら椅子を自分の机に向き直り、左手で額を押さえる心。


夕美子、

「漣太郎…。心、美紅に電話。」


心、

「はい。」


「あぁ~~、でも…今、美紅さんと康太…、撮影の…真っ最中…。」

信玄。


心、

「あ~美紅、今…大丈夫…???…実は…、困った事が…。……。」

美紅に状況を説明しながら…。


けれども、心の表情は晴れず…。

「そっか~~。ありがと…、うん。大丈夫、何とかやってみる。」


静まるブリリアント編集局。

通話を切って心、夕美子に向かって首を振る。


夕美子、

「だ…め…か…。」

腕組みしながら、そして右手を口に付けながら…窓際に…。

左右にチラリと動く目。その瞬間振り向いて机の上の電話から受話器を…。

プッシュボタンを押して、相手が出る。

「お疲れ様です。ブリリアントの新條です。」


「おや。お疲れ様です。新條さん。昨日は…。」


男性のその声が耳に届き、

「昨日は…ありがとうございました。お蔭様で…。すみませんけど…。お願いがあるんですけど…。」


「お願い…???はい、どうぞ。私で良ければ、何なりと。」


その声に、

「ありがとうございます。実は…。……。」


「ふんふん。なるほど~。カメラマン…。」

受話器を耳に、ブックスタンドから一冊のファイルを取り出して健之、

「少しお待ちを…。」







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ