手を握って…。 vol.008 「ふ~~ん。おいでなすったか~~。」
そんな心の声に夕美子、
「ん~~???」
亜季と真奈香、
「うそ!!!」
亜季、そして美紅、
「夕美子!!!」
「編集長―――――っ!!!」
そんな亜季と真奈香の声に夕美子、與門に振り向いて。
そんな夕美子の顔を見て、そして亜季と真奈香、心の顔を見て與門、
「ふ~~ん。おいでなすったか~~。そう…言えば…、今日~だったね~~。新人さん。ソフィアの…。」
「…って…???編集長~~???」
亜季、
「夕美子…???」
そんな亜季に夕美子、
「ふん…。新しい人…。小宮に代わって…、新しい編集デスク~~。」
亜季、真奈香、心、そして康太、
「え――――――――っ!!!」
「…って…、亜季さんも…知らなかったの…???」
真奈香。
「いや…、知る訳ないでしょ。私だって、今初めて知ったわよ。…ただ、小宮さんが…ここ、辞めるって…話は…チラホラと…、小耳には挟んだけど…。」
小宮節子。現「Sophia」の編集部デスクである。
「小宮の母親がね~~。突然脳梗塞で倒れて、介護しなきゃなんないらしい。あいつ、一人っ子だから…、実家の和歌山に帰るって…。」
夕美子。
「…で、その後継となるのが、今日、入ってきた、その人でしょ。」
與門。
「…って言うか…心~。その人の事も~~。もう…。」
心、少し緊張した感じで、
「え…、え~。実は…、男…の人…。」
その声に夕美子、
「わお。」
「な~んか…寂しくなるね~。」
亜季。
「だって…、ソフィアでは、唯一、もの凄い優しい人だったからさ~、小宮さん。」
真奈香、
「ん…。」
「しかも…、唯一、夕美子とも、切磋琢磨だったしさ~~。」
そんな亜季の声に夕美子、
「ふ~~ん。まっ、しっかた…ないでしょ~。その人には、その人の人生…あるんだし~~。ねっ、與門~~。」
夕美子の声に、ボールペンを唇に当てて、空を見つめる與門。
目だけを夕美子に、そしてわずかに微笑む。
そして数時間後、「ブリリアント」のドアを開けて入ってくる3名の姿。
「みなさ~ん。おつかれさま~~。」
編集部員、それぞれ3人の姿を見ながら、
「お疲れ様で~す。」
その3人の中の男性に注目の眼差し。
まっすぐに與門の机に向かい、
「お疲れ、與門。」
瑞樹。
「お疲れ。さすがにお綺麗で…。ふふ…、瑞樹~~。」
瑞樹、
「ありがと。紹介するわ。」