手を握って…。 vol.079 「あら~。なんと…、道理で…。」
杏美、若、そして信玄、
「僕は~~???」
健之、また…口を捻じ曲げながら…。
若、
「きゃははは。デスク~、またその顔~~。」
杏美、健之のその顔に、そして若に、
「へっ…???デスクって、そんな顔…???」
そして、いきなり、
「ぷっ。くくく。」
夕美子も自然に、鼻に右人差し指を付けて、
「矢萩さ~ん。くくく。」
そして、丁寧にその場に正座して、
「あらためて…、ワコウちゃん、矢萩さん…。ありがと…。…で…???矢萩さん…???」
健之に向かって、少し顔を左に傾けて夕美子。
健之、
「んんん。まぁ~~。あの…。実…は…。僕の父親…、若い頃から…空手を…やってまして。」
その途端、面々、
「すご―――――――っ!!!」
和弘、
「あら~。なんと…、道理で…ははは。」
鼻の上を左人差し指で掻きながら…健之、
「…で、まぁ…、何故か、僕の場合は…。何て…言うか…。母親と姉貴が…。」
「お母さんと…お姉さん…が…???」
夕美子。
「あんたも…父さんみたいに。…って、言うか…、正直、うちって…、母さんと姉さんには…頭…上がらないんで…。」
夕美子、いきなり顔に両手を…、
「うそっ。…かか…、ははは。うそうそ。」
そして杏美も若も、
「うんうん。うそうそ。」
そんな女子を見ながら健之、
「ええ…???え…???なんで…???」
「全然…。」
夕美子、
「…そんな風に…見えない。」
健之、
「はっ…???」
信玄、
「空手か~~。うんうん、それで…、矢萩デスク…???」
「いや…。それでって…。まっ、だから…、僕も…同じように…子供の頃から…。うん。」
夕美子、
「空…手…???」
「え…え…。まっ。でも…、小学校…まででした…けど…。」
少し間を置いて…。
「中学、高校と…剣道で…。大学に…ラグビー。」
「へぇ~~。凄~い、体育会系~~。」
杏美。
若、
「じゃ…、デスクのお父さんって、空手…凄いんでしょ。」
そんな若に、
「う…うん。まぁ…、一応…黒帯…だけど…。」
目を真ん丸くして夕美子、
「すご~~~。」
「因みに…、お父さんって…???」
杏美。
「えっ…???うちの…親父…???」
その健之の声に一同、健之に注目。
またまた鼻の頭を掻きながら、
「いやいや…、そんな…大した…。」
照れながら…。
じっと健之の顔に注目する一同。
「あっ、え…っと…。某…建設…会社の…。うん。人間。」
「建設…会社…???」
またまた注目する面々。
健之、
「あ…、あの~~。」




