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手を握って…。 vol.070 アメリカ行き。

室内では夕美子と由香里、そして信玄の話が進められている。

実はこの茂木由香里と言う女性。

母親や姉と言うファッションの申し子のような人物とは全く異端な女性であり、

子供の頃から漫画が好きな女性。

ある意味、勉強はほったらかし。世間体もあり、何とか大学には入ったが、

それでも自分の目指すものが見つからず紆余曲折の日々。

しかも子供の頃から殆どその童顔は変らず、大学に入ったからと言っても、

殆どその容姿は変らず…。

どちらかと言えば、周囲からも煙たがれると言う存在。


ただ、子供の頃から好きだった漫画が、何かしら変化して由香里の描く絵だけは、

殆ど評価されないではあったが、観る人から言わせれば天性的なものがあったと言う。


大学時代もあまり見栄えのない性格、

そんな由香里にアメリカ行きを提案したのが母親の真理恵だった。


真理恵の大学時代の友人がアメリカのニューヨークに在住。

自分の知らない世界を身に付けるのも人生経験と言う訳で、

自分を見つけられないままの由香里も、その提案に乗ってそのまま渡米。


けれども、最初の2年は日本と同じように全く変わりなし。

ただ、わずかなりに母親の友人が営むお店に自分の絵を飾ったのが切っ掛けで、

お客様に少しずつ気に入られるようになる。

そしていつしか、その絵たちがある人物の目に留まった。


ニューヨークで急速に人気が出始めたファッションデザイナーの、

「ヒサコ・マーラ(麻亜羅比沙子)」である。

この頃は、まだある企業に在籍していたファッションデザイナーではあったが…。

自分の目指すブランドを立ち上げたいと言う野心が彼女にはあった。

そんなヒサコに必要だったのが、自分のイメージに合うスタッフ。


店で見たその絵にヒサコは惚れ込み、その作者を店に尋ねたと言う。

そして、そのヒサコのお声に掛かったのが由香里である。

この時点では全く見栄えのない由香里。

けれどもそんな由香里を見た瞬間にヒサコは由香里を思いっ切り抱きしめたと言う。


ヒサコ、

「ブラボ――――――ッ!!!!」


それが今の麻布セントラル・ムードに結びついている。



全く見栄えのない由香里も、それからは変貌。

童顔の顔もヒサコのお蔭でモデルにでもなれる容姿となり、

ファッションに対してもヒサコに指導を受けて。

そしていつしか自分の好きな絵がファッションで受け入れられるようになっていった。



5年の歳月が流れていた。





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