手を握って…。 vol.066 「一体…どんな人…???」
店を出て夕美子、スマホで…。
「Ms Floral…っと…。…って、言ってたよね。與門。」
「ふん。おぅ。見てるか…。」
與門。
「…おっと。あった。ふ~~ん。おやおや…、中々どうして…。」
「…でっしょう~。」
そして。
「えっ。ええええ…???…なにこれ…???」
「ふん。私もそれ見て驚いた。」
「SOLD OUTばっかじゃん。」
「そして…。」
右人差し指を胸の前にしながら與門。
「…これって…、運営は…???」
ず~~っと、下まで…スワイプして…。
「会社概要…は…。株式会社…麻布セントラル・ムード…。わっ!!!」
「立ち上げてまだ…1ヶ月も経ってない会社。…でも、おじちゃんの話では、右肩上がり。…なんでしょ。」
「うん。」
スマホの画面を見ながら夕美子。
「ふ~~ん。麻布セントラル・ムード…。茂木由香里かぁ~~。一体…どんな人…???」
仕込みをしながら洋造、
「ワコウ~。あの…パソコン。持って来てくれや。」
和弘、
「あ~~、はい。」
奥から自分のタブレットを持ちだして、洋造の前に。
そして画面に表示させたのが…。
洋造、
「けけけけ。分かってんじゃねぇか~。」
和弘、
「えぇ。確か、今日…。いや…、今頃は…初対面…、終わってるかも…。」
「あぁ…。全く未知数の…。育って欲しいやな~~。」
「大丈夫ですよ、新條さんなら…。」
「ん~~。どうしたい。何かしら、夕美子なら問題ないってな…、口振りみてぃに…。」
そんな洋造に和弘、
「えぇ~~???…いや…。そんな根拠はどこにもないんですけど…。」
洋造、
「ふん。」
「みなさんの話を聞いていると、なんでか、励みになるんですよ。」
「ほぅ~。励み…???」
「えぇ。…何て…言うのか…。常に、前…見てるって…感じで…。…しかも、その中で、笑いがあるし。…どうしても、お客さんを喜ばせてあげたいって、感じが、伝わってくるって言うか…。」
「けけけけ。ワコウ~おめぇ~。まだこっち来てわずかだってぇのに、そこまで人のこころ…、掴んだか…。」
「いえいえ…、とんでもないですよ。そんな…。」
そして少し間を置いて洋造。
「まっ。けどな。それが本当なのかも知れねぇ。客が来て、とにかく喜んでもらえるようにサービスする。俺たちの仕事だ。そんな仕事の中でも、人の人生が決まっちまう…な~んて事も…あるかも…知れねぇ…からな~。」
洋造の言葉に和弘、
「えっ…???」
「まぁ~~、俺は…、観客席で、観させてもらおうか…。へへ。」
そう言いながら、和弘の肩をトントンと叩いて、
「トイレ、掃除終わってるか~???」
「えぇ。」
「んじゃ…使わせてもらおうか…。けけけ。」




