手を握って…。 vol.066 夕美子を庇うように健之。
「あっ、いやいや編集長。ちょっと…若ちゃんが、口を滑らせただけって事で…。」
夕美子を庇うように健之。
與門、
「はい…???若ちゃん…???」
「えぇ…、若ちゃん。…あっ、それと…、誤解招くようですから…。」
健之。
與門、
「ふん…???」
「ベルモンド。寄らせて戴いてます。」
その言葉に與門、
「おやおや。これはこれは…。」
そして少し間を置いて、
「な~るほど…。もしかして…、若ちゃんと一緒に…ベルモンド…???」
その言葉に夕美子、2、3回頷いて。
健之、
「まっ。そういう事で…。洋造さん。素敵な方で…はい。」
與門、
「ふ~~ん。それはそれは…。何卒、これからも…ご贔屓に…。」
健之、
「はい。こちらこそ、よろしく。」
「は~い。おまちどおさま~~。べっぴんさんにはチャーシュー、オマケしておいたからね~~。」
女性。
「う~~わ。美味しそう~~。」
與門、夕美子。
「いただきま~す。」
「あっ。そう言えば新條さん。」
健之。
「…ん…???」
夕美子。
「麻布セントラル・ムード…オフィス。神永ビル。行ってきましたよ。…いや…。行ってきたと言うより、どこにあるのか分かりました。」
その健之の声に與門も夕美子も…、
「えっ…!!!」
「どう…して…、矢萩さん…。麻布セントラル・ムード…???」
與門。
その與門の反応に、またもや夕美子、
「あ~。は~は~。」
舌をペロリと出して。
健之、
「いや…。これはまた…誤解…生みそうだ。ははは。実は編集長…。……。」
そして今までの経緯を與門に説明して。
與門、
「おやおや。私の知らないところで、いろんな事が…。夕~美~~。」
夕美子、
「いやいやいやいや。別に…。だ~~って、そんな…。言う…。もう~~。與門~~。」
そんな夕美子を見て與門、
「くくくく。矢萩殿…。是非、うちの箱入り娘。よろしくお引き立て…下さいませ~~。」
その與門の声に健之、
「はぁあ…???」
店の玄関をガラリと、厨房の中からまた、「へぃ、らっしゃ~い。」の声。
そしてまた…、「ごめんね。いっぱいで…。空いてる席…。」の女性の声。
その声に店の玄関を見る夕美子と與門、
「あら…。」
玄関の方で男性の口が何やら…。
そして右手を振りながら後ろを振り返って再び玄関の戸を閉める。
健之、
「…ん…???」
夕美子と與門を見て…。
夕美子、
「椿君。…後ろにいるの…、誰だろ…???…ふふ…。」
「もしかしたら、この界隈…、この時間…。どこも…いっぱいなのかな…???」
與門。
「さて。ごちそうさまでした。」
健之。
「中々新しいビルでしたよ。…その神永ビル。」
「ふ~ん。ありがと。世田谷の…神永ビル…か…。」
夕美子。
「お先です。」
健之。
「お疲れ様~~。」
夕美子と與門。




