手を握って…。 vol.065 與門、夕美子、「なんで…???」
そして、そんな移動販売を眺めながらもいつもの洋食屋へ。
そしてドアを開くと…。
與門、夕美子、
「なんで…???」
入口に10人ほどの順番待ち。
「今日って…、何か…特別…、あったっけ…???」
またまた変顔の夕美子。
首を傾げて與門、
「い…いや…。…って…、お…かしいな…。あ~れ~~??」
腕組みをして…。
そうこうしながら外へ出てあちらこちら見回して…。
「さて。おじちゃん…は…???」
與門。
「あのね。この時間…。」
夕美子。
「…って~事は…。」
そのふたりの目が一致したのが…。
玄関を開けて、
「へいらっしゃい。」
厨房から活気のある男性の声。
「ごめんね、いっぱいで。空いてるところあったら、座っとくれ。」
その傍で声を掛けてくれた60代風の女性。
ラーメン店である。
與門、夕美子、
「しかたない…、ね。入っちゃったから…。」
ひとつのテーブルにひとりの男性。あと3人は座れるが、
その他に空席はなし。
仕方なくその男性の後ろから與門、
「すみません。こちら…よろしいですか…???」
ラーメンを食べている男性…、食べながら…、
「あっ、はい。どうぞどうぞ。」
男性の背中を見ながら與門、夕美子の順に向かいの席に。
與門、
「座ろ。」
夕美子、
「うん。」
そして椅子に座った途端、與門、夕美子、
「はっ???」
「わっ???」
男性、その声に気付いて前を、
「えっ…???」
思わず、
「ぶっ。」
そして、
「ご…、ごめん…。いきなり…。」
與門、男性を見てくすくすと笑って。
夕美子。
「あ…、は。はははは。」
男性、
「お疲れ様です。はい。」
與門、夕美子、
「お疲れ様。矢萩さん。」
そして夕美子、
「ここ…、いつも…???」
健之、
「いえいえ。今日が初めてですよ。なんか…、どこもいっぱいみたいで…。いつもは…弁当…ですから…。」
「なんだよね~。さっき行ったいつもの洋食屋もいっぱいだった。…で、私たちもここに。」
與門。
「今日って…、何か…、あったんですかね…???」
健之。
夕美子、
「さぁ…???」
「でも…。矢萩さん…、弁当って…???」
與門。
その弁当の言葉に夕美子、
「ぷっ。」
「…ん…???夕美…???」
與門。
「お待ち同様。決まったかい…???」
ふたりに水を配りながら女性。
與門、
「おっと…。」
ふたりともに同じメニューにして。厨房に消える女性。
「…で…???」
與門。
健之、夕美子の顔を見て、
「いや…、姉がいるんです。…で、いつも弁当を…。」
「へぇ~~。」
與門、夕美子。
「…って…。へぇ~~って、夕美子。知ってたんじゃなかったの…???」
與門。
夕美子、照れながら、
「へっ…。あっ、いや…。お姉さんがいるって事だけは…。そして、食事も作ってくれてるって…ことだけは…。でも…、まさか…お弁当まで…とは…。」
「ふ~~ん。」
ニッコリと睨む與門。




