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手を握って…。 vol.062  全く和弘には目も呉れないプードル。

「でも…、嬉しい限りです。」

奈賀。


健之、そして優理香も、

「ん~~???」


「だって…、スープルさんにはソフィア、お世話になりっぱなしですから…。…最初は美崎さん。そして次には五月さん。そして杏美さん。…で、私と…。」


そんな奈賀の話に優理香、

「ふふ…。そうね~~。…でも…、そのお蔭で、個性タップリに、こちらも楽しませて戴いてる~~。」


奈賀、そして健之、

「ありがとうございます。」


「女性はいつでも…。何歳になっても、自分を綺麗にさせてくれるもの…望んでいますからね~~。しっかりと情報発信しないと…。」


そして…、

「今後とも、是非よろしくお願いします。」

健之。


「わざわざありがとうございます。お顔…拝見出来て嬉しかったわ。」

優理香。


室内のキャビネットの上に飾られている数々の写真を見ながら健之、

「素敵な写真ばかりですね~~。」


そんな写真たちを見ながら、3人の女性が写っている写真を見て、

「なるほど。コチラが棚部真理恵先生…。」

そして、

「こちらの方は…???」


「妹です。」

優理香。


「妹…さん???」

「えぇ…。由香里と言います。茂木由香里。」


健之、

「茂木…由香里…さん。」


いきなりその名前を告げられ少し表情が変わる健之。


優理香、

「姉妹ではあっても、ファミリーとは違った路線を歩んでいる。自由奔放。…とは言えども、このビルの中に、別会社としてオフィスがあるんですから…。」


奈賀、

「へぇ~~。」


「ほら。6階に、麻布セントラル・ムードってオフィスがあるでしょ。そこのレディース部門でチーフやってるわ。出来たてほやほやの会社よ。」


健之、

「ふ~~ん。」


奈賀、

「では…室長。」


「えぇ~~。取材は日程通り。OKよ、奈賀ちゃん。」

「ありがとうございます。ではまた、ご連絡差し上げま~す。」






朝のジョギング。公園のベンチの手前まで来て和弘、

「…っと~。チョイ休憩。」

ベンチに腰掛けて、

「ふ~~。気持ち良い朝だ~~、ははは。」


時々同じ時間帯に通るプードルと散歩中の初老のご婦人に、

「おはようございます。」


全く和弘には目も呉れないプードルにクスリと笑顔で和弘。

初老のご婦人、如何にも申し訳なさそうに、

和弘に笑顔でお辞儀をしただけで通り過ぎる。


「なんとも…おませさんなワンちゃんかな~~。かかかか。」


そしてベンチから起きて後ろを向いて池を眺める。

その先に見える東京のビル。体を少し右左に回して…。

「…えっ???…うそ!!!」





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