手を握って…。 vol.058 「感触良いわ~~。」
「デスク~~、昨日は若とど~~こ行ったのかな~~???」
両手を後ろに回しながら奈賀。
健之、
「え~~~。いや…、どこって…。前に前デスクの小宮さん、通ってたお店。教えてあげるって言われてね~~。」
エレベーターを待ちながら。
「あ~~、ベルモンド…。ん~~、そう言えば…、以前は良く通っていたってねぇ…。はは…、ほ~んと~。そっか~~。若は…。うん。もしかしたら…、ベルモンドの方が、似合ってるかな~~。」
エレベーターの中から外に出ながら奈賀。
健之、
「えぇ~~???…どうして…???」
「まぁ…。いや…。別に~~。」
「ふん。」
「おっと、電話。すみませんデスク。」
地下の駐車場の車に向かう健之。
「はい、分かりました~。わざわざすみません。では…、これから伺います~。」
スマホで会話をしながら奈賀。助手席のドアを開けて、
「では…。」
健之、
「では…。」
取材と挨拶まわりである。
自分の席で與門、机の電話で、
「ありがとうございます。わざわざお時間割いていただきまして。では、3日後、金曜日の午後に。伺わせて戴きます。失礼いたします。」
そして、
「ふ~~ん。」
周りに聞こえるような感嘆。
斜め前の席の夕美子。そしてその夕美子から少し離れた場所の亜季。
夕美子、
「…で…???」
與門、顔を2、3回縦に…。
「感触良いわ~~。」
夕美子、
「ふ~~ん。」
亜季、
「NICE!!!」
その亜季の声に反応した信玄、
「えっ。なんですか。また美味しい話…ですか…。」
その信玄に美紅、
「ば~か。…んな訳…、ないでしょ。…それより信玄、出来た~~???原稿とデザイン~~。校正に回さなきゃなんないんだから~~。」
「おっと。はいはい。…っと~~。康太に…負けちゃらんないってね~~。」
美紅、
「ふふ。その通り~~。」
「はは。信玄~~。今頃康太…、クシャミしてるぞ~~。」
夕美子。
信玄、
「はは…。…ですかね。」
夕美子の方を振り向いて…。
その時、そんな信玄の顔を見て、夕美子。
「…ん…???」
何故か與門もそんな信玄を見て。
夕美子、與門と目が合う。
與門、
「信玄~~。」
信玄、
「はい…???」
夕美子、
「與門…。」
「麻布セントラル…。あんたと夕美子に…、任せるわ。」
信玄、
「あ…、あ…。はい…。」
そしていきなり椅子から立ち上がり…、
「はい…???…えっ。え~~~!!!」




