手を握って…。 vol.054 「桜華とベルモンドって…。」
「そうなんです。僕なんて、後から戸棚に綺麗に整理されてあるその雑誌を見てびっくり。」
笑顔で和弘。
洋造、
「ん…まぁ…。なんだな。」
「えっ。でも…、その他にもありましたけど…、洋造さん。」
そう言う和弘に、タブレットの中の画面を見ながら夕美子、
「あ~それ~。おじちゃん、桜華のブランド雑誌はみんな持ってるよ。」
夕美子以外…、
「えっ。うそ!!!」
洋造、
「バカッ、夕美…おめぇ…。」
「いやいや…。」
健之。
「…っと言うか、小曾根さんも…知らなかった…???」
亜季、その健之の声に、
「あっ、いや…。…って…。えぇぇぇぇぇぇ~。そこ…までは…。…さっすが~~。おじちゃん。…だからか~~。物凄い、話し…合うもんね~私たちと…。」
洋造、照れながら、
「ばっきゃろう~~。」
そして、
「…どうでぃ、夕美。それ…???」
そんな洋造に夕美子、
「うん。いい。…って、言うか、そもそも、そこに桜華があるって、もともと発端はおじちゃんだからさ…。」
またまた夕美子以外の面々、
「はい???」
そして、
「何が…どう…???」
首を傾げて、目をパチクリ。
夕美子、
「桜華が入っているあのビルの土地。元々はおじちゃんの土地なんだよ。」
面々、
「うそ―――――――っ!!!」
「ほんと。」
数秒、沈黙。
夕美子、
「…で、桜華の他に、会社もあるけど。桜華の前の会社。物凄い業績上がっていた会社だったんだけど。」
面々、
「うんうん。」
「経営者の急死。そして、その後の経営が思い通りにならずに…、倒産。」
和弘、
「へぇ~~。」
「2階から5階まで、すっぽりと空いちゃった。…それが確か…、2年前よね、おじちゃん。」
洋造に夕美子。
「あぁ。元々その話を知っていた煌がな…。」
「わかった!!!」
いきなり亜季。
「編集長、今のウチの社長に話した。」
「…とまぁ…、そんな訳だ。」
「ええええ。…と言う事は、桜華とベルモンドって、切っても切れない…縁がある…って…。」
康太。
「まぁ…、そう…なるか…。…とは言え、オフレコだ。かかか。おまえらだって、知らなかった訳だし…。知ってるのは、煌と夕美…くらいだ。」
「確かに。」
亜季。
「いや…。だって、ここでウチの社長や取締役の顔なんて、見た事ないから…。」
健之、
「な~るほどね~~。」
「逆に…しょっちゅう見てたら…、入り…にくしい…。」
洋造、
「かかか。まぁ…。そうなる…か…。」




