手を握って…。 vol.052 「ベルモンドに、タブレット…、あったっけ…???」
「…ん…???…まま。僕の事は…はい。…で…???」
洋造の顔を見る健之。
その隣で、
「デスクには…、綺麗なお姉さん…、いらっしゃるようで~~くく。」
若。
右隣の若に健之、
「わ~か~ちゃん。」
「は~~い。」
夕美子、
「ふ~~ん。そう…いう…訳か…。」
「…いや…。そういう訳って…、デスク…???」
変顔の康太。
そして和弘がタブレットを持って、
「これです。こちらに置きますね~。」
夕美子と健之の真ん中に。
「ホーム…。」
夕美子。
「ページ…。」
健之。
「…って言うか…、おじちゃん…、ベルモンドに、タブレット…、あったっけ…???」
夕美子。
「余計な事ぁ…、言わんでいい。」
腕組みしながら洋造。
小声で、
「未だに携帯電話もめんどくせぇ…。」
そして、ぶすっとした声で、
「昭和20年代生まれにぁ、迷惑な道具だ。」
「だよね~~。」
間髪入れずに、そしてホームページを見ながら夕美子。
その夕美子の声に、和弘の左肩を叩いて、
夕美子の顔を厳つい顔をしてぐいぐいと右手指を差す洋造。
クスクスと笑う和弘。
洋造、
「…ったく、最近の若ぇ奴らは…。良くそんなもん、簡単に使えるもんだ。」
ぶつぶつと言いながら…。
顔を赤らめて笑いを堪えている健之。
「…で…???」
「えっ…。うそ。何これ…???」
夕美子。
健之、
「ん~~???」
夕美子、あれこれとタップして、そしてスワイプして、ピンチインをしたりしながら…。
「ねね。おじちゃん…。これ…。」
口をへの字にして洋造、
「ん~~~。」
タブレットを健之の方に。そして名刺をもう一度見る夕美子。
そしてタブレットを見ながらの健之、同じく、
「ん~~~。」
夕美子、自然に、
「ねね、矢萩さん…。」
その夕美子の声に、
「ん~~~。確かに。新條さんも…、気付きましたか…。」
「麻布セントラル・ムード。まだ未知数の会社って事だ。立ち上げたばかりで…、まだ3週間だとよ。」
その洋造の声に4人、
「うそ!!!」
「康太、チェック!!!」
夕美子。
そして健之も、
「若ちゃん。」
若、いきなりスプーンを置いて、自分のスマホで…、
「えっと…、麻布…セン…。」
「…と、言う訳で…。これからが本題だ。まだ未知数って事は…、つまりは…産声を挙げたばかり。…けど、じわりじわりと…、良い感触…ってぇ~事だ。」




