手を握って…。 vol.050 「…じゃ…待ってるわ。」
與門、テーブルのスマホのマナーモードを解除した途端に着信。
「…ん…???おじちゃん…???めっずらしい~~。」
傍で夕美子、
「ん~~???」
與門、
「はい、私~~。どしたの~???」
聞こえてくる洋造の声。
「おぅ~。私だ。ちょいとな、耳に入れておきたい事があってな。…これから…来れるか…。電話よりも…。傍に夕美子もいるんなら尚更都合が良いんだが…。」
その洋造の話を聞いて、目の前の夕美子の顔を見て與門、
「ふん。いるけど…???」
夕美子、與門の顔を見て、
「???」
そして、
「ごめん、私…ちょっとダメ。臨時編集会議があるって家に電話しちゃってんのよ。一度帰んなきゃ。ま~た、ぐだぐだ言われるから…。」
その與門の話を聞いて夕美子、
「はぁ~~あ???」
と言いながら、いきなり、
「ぷっ。」
そして小声で、
「…で…しょうね~~。あの瀬戸さんなら…。かかか。」
そして洋造、
「かかか。そうか…、まっ、あの姑さんだったら、しゃあねえか…。くれぐれもよろしく~。」
「ふん。…と言う事で…。」
夕美子、與門のスマホを右手でクイッと。
「分かった~~。これから行く~。」
「すまねぇな~夕美子。…じゃ…待ってるわ。」
電話を切って。
「ふ~ん。…何だ、おじちゃん。珍しいね~。電話なんて。」
與門。
夕美子、
「ふん。何だろ。まっ、とにかく行ってくるわ。」
「ふん。頼んだよ、相棒。」
ブースを出ると、
「あ~~編集長~。今、ベルモンド…。」
亜季。
與門、
「はい、お疲れ、帰ったねぇ~。ふん。今、私のスマホに電話あったわ。…で、向こう…???」
自分の席に着きながら與門。
そんな與門に報告をする亜季。
夕美子、
「んじゃ、行ってくるわ。お疲れ~~。亜季~~。お帰り~~。ワコウちゃんの料理。いっただきましょう。」
「あれ…夕美子~~。ベルモンド~???」
亜季。
「ふん。」
「私も後で…、もう~ハングリー状態。」
「かかか。んじゃ、待ってるよ~。」
その話を聞いた康太、
「あっ、デスク~~。」
夕美子、
「ふ~ん…???」
夕美子に両手を合わせて…。
「かかか。いらっしゃい。…もしかしたら…。もしか…するかも…。」
康太、その声を聞いて、小さくガッツポーズ、
「ッシャ――ッ!!」




