手を握って…。 vol.049 「や~るじゃん、信玄公~。」
食事をしながら早瀬、母親瀬戸の隣でご飯を食べている美希に、
「くく…、美希おまえ、好きなハンバーグじゃないか~~。」
美希、
「うん、そうだよ~~。ママいないから。おばあちゃん、作ってくれた。」
隣の祖母の顔を見てにっこりと。
そしてそんな美希の顔を見て、
「そんな…、嫌いなものをわざわざ食べさせなくとも…。ねぇ~~、美希~~。」
そんな瀬戸に、小声で早瀬、
「煌に知れたら大変だぞ。雷落ちるぞ。」
そして、一瞬、頭に浮かんだイメージに、顔を震わせて、
「お~~~、コワッ。」
瀬戸、
「早瀬、何か言った…???」
「いや~~、別に~~。…美希~~、ママ遅いね~~。」
その早瀬の声に、
「そう言えば…、この頃、ちょっと遅いわね~~。仕事…、忙しいのかしら…???」
編集会議用ブースで與門、
「ヨ~~シ。みんなお疲れ様~~。これでなんとかモノになったね~~。いやはや、信玄。天晴れ。良くこんなの見つけたね~~。真奈香、フォロー、ナイスだよ。」
「ありがとうございます、編集長~~。」
ニッコリと真奈香。そして信玄の右肩をペンと叩いて、
「や~るじゃん、信玄公~。」
「いやいや。たまたまですよ。こんなの…、そう簡単に目に付くはずないですから。」
頭を掻きながら信玄。
「まっ、信玄には美紅にお願いしてるけど。真奈香~。最初のインプレッションが大切~。このまま信玄のフォロー、頼むね~。」
ファイルを見ながら夕美子。
真奈香、美紅の顔を見て、
「美紅~~。」
美紅、
「うんうん。お願い。頼むわ。」
「OK~。」
出張先から戻って自分の席に亜季、
「ふぅ…。おっと、会議、まだやってるか…。」
そこに、
「…ん…???おっと電話…。はい。お世話様です。ブリリアント小曾根です。……。あら…。」
その数秒後、ブースから出てくる編集者たち。電話をしている亜季に心、
「亜季さん、お疲れ様~。お帰りなさ~い。」
康太、
「お疲れ様。おかえんなさい。」
美紅、右手で合図して。
真奈香、亜季の肩をポンと、
「お疲れ。」
亜季、受話器を耳から外して、
「まだ…、デスクと編集長…。」
ブースの方に指だけ…。
真奈香、その亜季に、
「ふん。」
亜季、受話器をまた耳に、
「おじちゃん、会議、今終わった。」
電話の相手は洋造である。
「おぅ~分かった~。んじゃ、直接電話するわ。まっ、留守電にも入れておいたけどな。詳しい事はまだなんでな。ありがとな亜季ちゃん。」
店の電話から洋造。
「は~い。あっ、後で行く~。お腹ぺっこぺこ。ワコウちゃんに美味しいの、お願いって~。」
「あいよ~~。」