表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/233

手を握って…。 vol.040  「い~つでもおいで~~。」

「もぅ~~~。」

今度はさっきより強く、健之の左肩を叩く心。

「かかかか。」


そして、

「はぁ~~。私も涙出て来ちゃった~。」

と…。夕美子。


そして夕美子の方を見る心…。


夕美子、顔を下に、体を震わせて、そしていきなり顔を上げて、涙目になりながら、

「きゃっはははは。はぁ~~。何なのよ、今の…。あぁ~~。おっかしい。」


そんな夕美子の顔を見て和弘、

「ははは。新條さん…、はい。おしぼり…。」


「あっ。ごめんなさい。じゃ…、使わせてもらおぅっか…。はぁ~~。な~んか…、久し振りに、こんなに笑った~~。可笑し過ぎるよ、矢萩さん。」


和弘、

「凄いですよね、矢萩さん。まさか…、そんなキャラ…お持ちとは…。ほんとうに可笑しいです。」


「おいらも…負けちゃあ~らんねぇなぁ~~。」

歌舞伎の助六を変顔したように洋造。


「ダメダメ。もぅ~止めて。ひぇ~~。もぅ~!!!矢萩デスクッ!!!」

そしてまたまた健之の左肩をペンと叩く心。


健之、

「あた。かかかか。もぅ…これで何度目…???雪さん。」


「きゃきゃきゃきゃ。」

笑いが止まらない若。


「いや。君は笑いすぎだろ、若ちゃん。くくく。」

若の顔を見て健之。


両目の下をハンカチで押さえて若、

「…だって…。はぁ~~。」


そんな若を見てにっこりと健之。


「はぁ~~。何だか、何相談するのか、忘れちゃった。けへ。」


「ん~~???なんか…相談事…あったんだ…若ちゃん…???」

心。


そんな心の声に、

「ん~~。…でも、もう…良いです。な~んだか、気持ち、楽になっちゃった。ふふ…。」


洋造、

「ほぅ~~。」


「いつもの店だと、こんな事、まず…ないですから…。」

畏まりながら若。


「い~つでもおいで~~。そりゃ、仕事で大変で、辛い時なんて、いっぱいあると思うよ。先輩に叱られたりね~。」

ワインを飲みながら夕美子。

「ある意味、どっかに捌け口ないと、やってられないと思う、この業界。ううん。多分、他の仕事も同じだと思うけど…。私だってあるんだから…。」


そんな夕美子の話に若、

「えっ。新條デスクにも…。」


「そりゃ~あるわよ。人間だもの。でも、私には與門がいる。そして亜季もいれば、真奈香もいる。そして…。」

心の頭を撫でて、

「こいつもいれば、美紅もいる。それに、康太もいれば信玄もいる。支えられてるよ、いっつも。…そして。」


若、

「そして…???」


「そして…、目の前にいるでしょ。笑いの殿堂が…。」

洋造を指差して、

「もし…いなかったら…。」


若、

「もし…いなかったら…???」


「重版出来なんて…、無理無理。」






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ