手を握って…。 vol.033 「ばれちゃったよ~~。若ちゃ~ん。」
「仕っ方ねえなぁ~~。ばれちゃったよ~~。若ちゃ~ん。」
苦笑いをしながら洋造。
「まぁ…。節ちゃん。あの人も、まぁ…面倒見が良かったからね~~。若ちゃん、可愛がってもらったもんな~~。」
そんな洋造の話に若、
「へへへ…。うん。」
「…で…、何にする今日は…???いつものにする…???そちら…。矢萩さんは…???」
健之、
「あぁ~~。…っと…。」
メニューを見て、
「へぇ~。結構…料理も多いんですね~~。」
若、
「凄い。おじちゃん、私の…いつも食べてるの、まだ覚えてるんだ。」
「そりゃあ。もう~。それ…、仕事なもんでな…。な~んてな…。けけけけ。」
若、にこにこしながら、
「じゃ…、お願いします。」
そして、数分後。和弘、
「すみません。見習いの分際で申し訳ないんでけど…。大槻さまの方…。どうぞ。」
若、
「わぁ…。ありがとうございます。うわっ。美味しそう~~。」
そしてスプーンを使って…。
「う~っわ。おいっしい~~。高梨さん。凄い、美味しい~~。」
和弘、
「ありがとうございます。」
若にお辞儀をして。
「かかかか。是非、こいつをよろしく、ご贔屓ください。かかかか。」
洋造。
「へぇ~~。」
健之、和弘を見ながら、
「料理…上手なんですね~~。」
そんな健之に和弘、
「ありがとうございます。お蔭様で…。」
フライパンを使いながら和弘。
「若ちゃん。どうだい、慣れたかい、仕事~~???」
和弘の調理を見ながら洋造。
そんな洋造の声に若、
「まだまだ…。まだまだ…。です。」
「かかかかか。…だ~な~~。編集者。大変な仕事だわ。…って、事は…、親分の…蜷川さんに…絞られてるってか…。えぇ~~???」
「いやいやいやいや。…とんでもない。絞られているなんて…。仕事でも、可愛がってもらってます。はい。…ふふ…。」
「えっ…???仕事でも…って…。若ちゃん…???」
キョトンとして健之。
そんな健之に若、
「あっ。」
いきなり口を塞いで若。
「言っちゃった~~。」
「ふ~ん。まっ、しゃあないだろうね~~若ちゃん。」
クスクスしながら洋造。
「は~い。どうぞ~~、矢萩さ~ん。」
出来上がったメニューを健之の前に。
「わお。こりゃ、旨っそう~~。」
そんな健之をにこにこと見ながら若、
「ん~ん。」
健之、
「…で…???」




