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手を握って…。 vol.030  「おっけ~~。頼むよ~心~。」

全体会議から戻ってきた夕美子、

心の肩をトントンと叩いて自分の席に向かう。


心、

「あっ。はい。」

そして夕美子の席に…。


「心~。…で、例の方…、どんな感じ…???」

両肘を机に、そして両手を握って顎を付けて夕美子。


「ふふ…。向こうが逆に驚いてました。まさかウチからアプローチされるなんて思ってなかったから…って…。」

にっこりと心。


「そう~~。しっかし、心が私と同じのに目ぇ~付けてたなんて、それこそナイスだわ。お願いね。ライターと読モは…???」

「はい。もう走ってます。」


「おっけ~~。頼むよ~心~。」


そして席に戻る心。向かいに座っている亜季から、

「心~~。ナ~イス。」


そして後ろの席の美紅が椅子をスライドさせて心にハイタッチ。


「心に負けちゃらんないってか~~。」

両腕を天井に向けて、

「ん~~~。」

目を閉じて背伸びの真奈香。


そんな真奈香の両手の平をパンパンと叩いて自分の席に向かう與門、

「そ~の通り~~。」


「あ~~、編集長~。新人さん…どうでした~~???」


「ん~~???新人さんって…???あ~~矢萩さん…???…ん~~。何やら…ソフィアでは、評判良いみたいよ…ふん。」

そして自分の席に落ち着いて與門、

「何かしら…、人となりも…好評な様子~~。」


真奈香、

「ふ~~ん。」


そうしながらも何故か夕美子の顔をチラリと見る與門。

パソコンの画面に集中している夕美子。


「あ~~~っ!!!」

いきなり美紅。

「そう言えば…、新人さんって、ベルモンドの新人さん…。どんな感じでした、編集長~???昨日…デスクと一緒に行ったんでしょ、ベルモンド…???」


そんな美紅の声に與門、

「ふん。なかなかどうして…。あちらもイケメン。…ぷっ。」


「ん~~。どう…した…の…???」

真奈香。


「ん~~。な~んか…。面白い事になりそう~~。」


そんな與門の声に、一同、

「はぁ~~あ…???」


「なんてったって、こんな近い場所に、いきなり新人さん…、ふたりも…なんて…。」


夕美子を覗く面々、

「あっ、そっ…か…。」


そして静かな視線が夕美子に集中する。

数秒の沈黙…。


「心~~、あんただけだって~。まだワコウちゃん見てないの~~。ミスターベルモンドが…そう申しておりまし…た。」

與門。


心、

「あっ。そうだ…、そう言えば私だけだ…。…って…、ミスターベルモンドって…誰…???」


何故か、その言葉だけ聞こえた夕美子、

「ぷっ。」





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