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手を握って…。 vol.234 「木乃美から電話があった。」

その時、與門のスマホに着電。

「…ん…???木乃美…???」

応答ボタンを押して、

「はい。與門です。久し振り~~。」


スマホの向こうで木乃美、

「あぁ~煌~。私~~。春樹から連絡なかった~~???」


「ううん…。旦那様…お忙しいようで…、何も…。」

「そっか~~。」


「どうしたの…???」



木乃美から話を聞いて、その旨、優羅に…。そして洋造に電話する與門。


洋造、

「ふん。俺にもさっき、木乃美から電話があった。煌~。ひとつ、頼むわ、木乃美の事だ、何とか。」


「当たり前でしょ。じゃ、お願い。」

「あいよ~。」



そして夕方、まだ準備中のベルモンドに與門。

ボックス席に座っている木乃美とひとりの女性を見て、右手を挙げる。


木乃美も與門に右手を挙げて手招き。

木乃美、

「ごめんね~。いきなりの電話で…。」


與門、

「んんん。それより…。電話では…日本語…流暢って…。」


木乃美、

「麗華、挨拶して…。」


その女性、

「初めまして、王麗華(おうれいか)と申します。21歳です。」


木乃美、

「台湾からの留学生として日本に来て、その期間も終了して一旦は台湾に帰ったんだけど…。日本の文化…勉強したいって事で、私が前に勤務していた外資系の会社で採用して仕事をしてたんだけど…。どうやら会社環境…別のところの方が…この子は伸びるって…。で、元私の上司から私に連絡が来て、なんとかならないかって…。」


與門、

「ふ~~ん。」

その女性を見て與門、

「…ん…???何…、この子…???」

一瞬、頭の中で…。


そして、

「失礼だけど…。あなた…本当に…21歳…???」


木乃美、

「ふふ、煌~。やっぱり…あなたも…。ふふ、ほら。」

傍に置いておいた書類封筒から一枚の資料を取り出し與門に…。


「ふん。ありがと。」


王の履歴書である。


「へぇ~~。正に…21~。…と、台湾私立健劉高級中學…卒業…。」


木乃美、

「その…、台湾私立健劉(けんりゅう)高級中學…、台湾では名門よ。しかも、難関中の難関。…で、おまけにその学校…主席で卒業してる。」


その話を聞いて與門、

「うそ。」


唇を尖らせて與門。そして王の顔を見て、

「ふふ。お~もしろそ。OK~。王さん、歓迎するわ。ブリリアントで…。」

そう言って握手を求める與門。


「…と、なると思った、あなたの事だから…。」

木乃美。



「ん~~。なにやら…、決まっちまったかな~~。」

カウンターの中で洋造。

「優羅ちゃん。」


「はい。」

優羅が3人にコーヒーを。



「ブリリアント、また賑やかになるか~~。」

洋造。


與門、カウンターに振り向いて、

「ふふ。もしかしたら…ねぇ~~。」

そして、木乃美に、

「木乃美…ありがと。旦那に言っといて。私が預かるって。」


「ありがと…。と~~。新しい人…、こちら…???」

優羅を見ながら木乃美。


與門、

「うん。…第2のワコウ~。ふふ。」


木乃美、

「は…あ…???」





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