手を握って…。 vol.225 ブランケットに覆われているふたつの体。
「しっかし…、まさか…こんなに、集まるとは…。」
夕美子。
和弘、夕美子の隣で頭を深々と下げて、
「ありがとうございます。」
洋造、與門、
「おまえさんが愛されている証拠。」
「う~ん。その通り~。」
成田空港には、ズラリとブリリアントの面々、そして杉田夫婦に早瀬、美希。
悠宇にルイが夕美子と和弘の見送りに来ていた。
それに便乗して、由香里が仕事を兼ねて同行する事に。
そろそろ搭乗手続きをすると言う頃に、
「姉ちゃん。」
「夕美子さ~ん。」
駆け付けたのが倫洋と友紀。
夕美子、
「ばか。あんたたち、仕事~~。」
「そんな事、言ってられませんよ。私のお姉さんになる人が外国行っちゃうんですから。」
息を吐きながら友紀。花束を夕美子に、そして抱き締めながら、
「お姉さん、行ってらっしゃい。」
そんな友紀を抱き締めながら夕美子、
「友紀ちゃん、ありがと。うん、行ってくる。倫の事、お願い。」
友紀、目を潤ませながら、
「はい。ありがとうございます。うん。気を付けて。」
30分後、滑走路から離れる機体。
ニューヨークはマンハッタン、ミッドタウンのパークアベニューにある建物の中。
ベッドの中で、ブランケットに覆われているふたつの体。ひとつの顔は…、
すやすやと寝息を立てて、肩の上に唇を当てて、左腕は男性の右胸に…。
「ま~~ったく…。自分から赤ちゃん作ろうな~んて言っておいて、裸になってキスしながら押し倒して、そのまま寝ちゃうって、どういう事~~。」
そう言いながら、夕美子の頭を撫でて、額にキスして、一旦ベッドから抜け出し、
冷蔵庫の中からミネラルウォーターを。
そしてゴクゴクと飲んで、
「ちょっと飲み過ぎたかな~~。夕美子~ふふ。」
そして、
「さて。明日も早い。」
そのままベッドに入り、ブランケットの中の裸の夕美子を抱きしめながら、
唇にチョンとキスをして、
「おやすみ。」
夕美子、なにやら、寝言のように、
「ん~~。ん~~。」
そして、和弘の首に両腕を回して和弘の顔を自分の両胸に押さえ付ける。
和弘、
「い…、息が…。」
朝食を食べながら、
「へっ、私、寝ちゃったの…???」
夕美子。
「ふん。俺にキスして押し倒してすぐに。なんとも、すやすやと…。気持ち良さそうに…。」
「あっちゃ~~。疲れてたかな~~。…それとも…???」
和弘と一緒に、
「飲み過ぎ…。」
「それにさ。夕美子の場合、勉強…し過ぎ。流暢に英語話せるのに、それ以上求めてるから…。」
「いや…。だって。ただ英語が出来る。それだけじゃ、編集の仕事なんて。…それに…。」
和弘、ニタリと笑って。
そんな和弘を夕美子も、
「ワコウだって、分かってるでしょう。」
そしてまた一緒に、
「中途半端は、嫌。」




