手を握って…。 vol.022 「ウチの箱入り娘は…。」
両肩を少し落ち着かせながら夕美子。
「はい。私。んん…。」
「夕美…。緊張してねぇか…、おめぇ。くく。」
背中を丸めて夕美子を冷やかす洋造。
そんな洋造をチラリと睨む夕美子。
「え~~。」
與門も釣られて、
「ぷっ。」
「與門編集長の下、編集…デスクをしております。新條…夕美子…と、申します。はい。」
数秒…沈黙。
「…えっ…???…って…。それ…だけ…。新條さん…???…デスク…???」
夕美子の隣の信玄。
その信玄の声に與門、
「ぷっ。くくく。かかかか。」
「うるさいわね、信玄~~。」
そう言いながら、信玄の右二の腕を抓る夕美子。
「いっ、痛~~た~~。」
信玄。
「デスク~。すぐ抓るし~~。」
「かかかか。まぁ~いいじゃねえか~信玄~。弟より歳、若ぇ~んだ。可愛いんだよ、おめぇが…。」
洋造。
始終にこやかな和弘。
「かかか。まぁ…初対面の…。仕事関係じゃないと…、お茶目なレディですから…、ウチの箱入り娘は…。ねぇ~夕美子~~。…て言うか…、うぶか…。」
與門。
洋造、
「まっ、そのようで…。ただ…、それが切れたら…。」
そして信玄の顔を見て、
「世の男性諸君。気を付けな。強かだぜ~~。…ってな…。」
そう言いながら、いつものドリンクを與門と夕美子、そして信玄の前に。
「あっと~~。高梨君は…何飲むの…???」
與門。
和弘、そんな與門の声に、
「えっ…???いえいえ…、私は…。…はい…。」
畏まりながら。
「いいじゃない…、ねぇ~。」
與門。赤くなっている和弘に…。
「すごっ。照れてる。」
「かかか。高梨君なんて、滅多に言われねぇだろ、おめぇ…。なぁ~ワコウ~。」
そんな洋造に照れながら頭を掻く和弘。数回頷いて…。
「えっ…???そうなの…???へぇ~~。」
夕美子、
「そう…なんだ。」
「えっ。じゃ…、僕らも…ワコウさんって…、呼んで…いいの…か…な…???」
信玄。
「まっ、それが、自然だわな。」
「じゃ~~。ワコウちゃん。一杯、付き合って。何でも飲めるんでしょ…???」
與門。
「かかか、照れやがって。」
そう言いながら生ピールをジョッキに。
「ほれ。大元締めの奢りだ。」
洋造。
「お・じ・ちゃん。」
「へぃ、へぃ。」
「…じゃ…。お言葉に甘えて…。」
和弘。
夕美子、
「うん。いっちゃえ、いっちゃえ。」
與門、
「かんぱ~~い。」