手を握って…。 vol.222 和弘、「あ~~。その顔~~。夕美子~~。」
和弘、
「あ~~。その顔~~。夕美子~~。」
夕美子、
「ニシッ。分かっちゃったか~~。」
和弘、
「いいんだけど…さぁ~~。」
「だ~~って、健之と若の双子見ちゃうと、どうしたってね~~。」
「分かる、分かる。欲しくなるその気持ち~。」
「でっしょう~~。」
「でも、向こうは家政婦もいるし、それに、瑠唯子さんも双子ちゃんの面倒も見てるし…。でも…こっちは…。それに…、まだ、結婚も…。」
「…と、思うでしょ。」
そんな夕美子の声に和弘、
「えっ…???」
「怒られちゃった。」
ボソッと夕美子。
和弘、
「へっ…???」
「その内、ワコウもボスに怒られると思う。」
「はぁ~あ…???どういう事…???」
「実は~。昨日ね、ヒサコがある密会をしたらしい…。」
和弘、変顔をして、
「密会…???」
夕美子、テーブルに着いたウェイトレスにオーダーをしながら、
和弘に、メニューに指差して、和弘、頷く。
「で~~。その密会に、ウチのボスとワコウのボス。」
ここで言う夕美子のボスと言うのが、ニューヨーク女性誌「HENRY」のオーナー。
つまりはCEO取締役社長である。
夕美子からその密会の話しを聞いて和弘、完璧に厳つい顔して、
大口を開けて、
「は…あ…???」
「ぶっ。何よ、その顔…。かかかか。な~~んだって。作るよ、今夜から、赤ちゃん。」
和弘、その夕美子の声に、
「ぶっ。…いやいやいやいやいや。おぃ。」
「何よ。」
和弘、
「だって。いきなりさ。」
「だから…、何よ。」
そして、夕美子、
「もぅ~~。作ろうよ~、赤ちゃ~ん。」
子供みたいにねだる夕美子。
「ねね。」
「まだ…、早い気は…、するん…だけど…。」
「私が良いって言ってんの。」
そして運ばれてきた料理を食べて、和弘、
「はいはい。」
3年前…。
麻布セントラル・ムード開催のディナーファッションショーが盛大に幕を閉じた。
その一週間後、カウンターに並んだ面々に和弘、
「僕…、ニューヨークに…行く事に決めました。」
その一言に驚いたのがその場にいた健之、そして亜季と美紅、
「え゛――――――――っ!!!うそ…。」
亜季、
「夕美子…、編集長…???おじちゃん!!!!」
健之、
「ま…さか…。」
その隣で若、
「ほんと…。」
夕美子、
「ワコウちゃん…、前々からニューヨークの3つ星レストラン、ジュンジョルジュから、誘いを受けてたの。」
亜季と美紅、
「え゛――――――――っ!!!」
健之、
「それ…で…か…。あのレストラン。」
「え…???ええええ。ちょっと待って。」
亜季。
「えっ、なに…、それじゃ…、夕美子とワコウちゃん…。どうすんのよ、これから…???はい…???」
美紅、
「まさ…か…、日本とニューヨークの…長距離…恋…愛…って…???」




