表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
216/233

手を握って…。 vol.219 由香里の声に静まる会場内。

やがて、ディナーファッションショーのナレーターを務めていた女性がアナウンスをして、今回のショーのディレクターを務めた由香里にチェンジする。


ひとりたりとも席を立たないゲストたちに向けて。

「みなさま。ありがとうございます。日頃ご愛顧頂いておりますみなさまに、また、セントラル・ムード初めての方々にも、深く御礼申し上げます。」

その由香里の声に静まる会場内。

「今回のファッション、ディナーショー。お気に召して頂け、スタッフ一同感謝申し上げます。そして、今回のファッションショーに、特別にご協力いただきました、ディナーのシェフ、高梨和弘シェフに、心より感謝申し上げます。皆様、絶大なる拍手を持って、お贈り下さいませ。」


その由香里の言葉に、会場内の一斉の拍手喝采。

そしてスポットライトがシェフの列を照らし出す。

鳴り止まない拍手、そして労いの声に、感謝の声。


その声を聞いた瞬間に夕美子、涙に濡れる。そしてそのまま與門に凭れる。

「與門…。」


與門、そんな夕美子を支えて、そして抱いて、

「うんうん。ワコウちゃん、頑張った、頑張った。」


そして、そんな夕美子を見ながら亜季、そして真奈香、美紅、

「えっ…???夕美子…???」

「…デスク…???」

「どしたの…???具合でも…。」


そんな美紅に若、涙流して、

「ははは。美紅さん…。亜季さん。真奈香さん…。」


美紅、

「へっ…???若…、なに…???」


真奈香、

「…まさか…???」


若、

「ワコウさん…。デスクの彼氏になったんですよ。デスクも…、ワコウさんの…彼女なんです。」


その若の声に、亜季も美紅も、

「え゛―――――――――っ!!!」


與門、そんんな亜季と美紅を見て、苦笑いをして、頷く。


まだ涙が止まらない夕美子。


亜季、

「う~~~っそ。いつの間に…。」


美紅、

「え―――――――っ。まったく…気付かなかった。は…あ…???」


與門、

「夕美…、夕美…。うん。大丈夫…???」

與門も瞼を濡らしながら、

「頑張ったもん、ワコウちゃん。…で、支えてたもん、ねぇ~。相棒~。」


與門と洋造、そして由香里と悠宇、そして和弘しか知らない、あれからの夕美子。


和弘からニューヨークの事を知らされたその日から、

夕美子は時間があればベルモンドにいた。

とにかく和弘の傍でしっかりと見守り、手伝っていたのだった。


当然の事ながら、その夕美子の姿を見て洋造。

その後に與門、その後に僅かな時間ながらも由香里と悠宇が、手伝ってもいた。



夕美子、ようやく與門から離れて、

「んん…。もう…大丈夫。うん。」


與門、

「OK~???」


夕美子、

「うん。」


その瞬間、いきなり、

「夕美子―――――――っ!!!」

「デスク―――――――っ!!!」

椅子から立ち上がり、夕美子の元に3人。そして一斉に夕美子を抱き抱える。

「わ――――――――っ。」



夕美子、

「えっ…???えっえっ…???」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ