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手を握って…。 vol.218 そしてまだ見た事のないふたりの女性。

軽快な音楽をバックにランウェイを歩くモデルたち。

セントラル・ムードのディナーファッションショーである。

そしてそのランウェイの両隣に設けられた数々のテーブル。

ディナーを楽しみながらのファッションショーでもある。


「まさか…、夢みたいね~~。私たちがこんな本格的なファッションショーに招かれるなんて…。」

亜季。


真奈香、

「うんうん。私なんて、もうさっきから興奮状態。」


「どれどれ~。」

と、真奈香の左胸に手をやる美紅。

「くくくく。」

そして、

「わっ、ほんとだ。」


その瞬間、美紅の頭をコン。

「バカ。あんたは何をしとる。…ったく~~。」

けらけらと笑いながらの真奈香。


「でも…本当にうっとりするよね。こんな素敵なの…、私だって初めてだもん。」

與門。


「何々、編集長、編集長だって、モデル並みに素敵だと…思うんだけどな~~。」

與門の対面で心。


「お言葉のみ…、戴きます~~心さま~。」


舌をペロリと出す心。


モデルに目をやり、そして料理を作っているシェフ姿の和弘を見つめている夕美子。

そして笑顔で…。


そんな夕美子の顔を見て與門、さりげなく、

「心配なら…行ってくれば…。ふふ…。」


そんな與門の声に夕美子、

「へっ…???いや…、な~にを言ってる。心配ないよ、ちゃんとやってるもん。うん。」


そして、ちらりと隣のテーブルを見て、がつがつ料理を食べている康太と信玄、

その隣で洋造と健之。

「…ったく、あの子たちったら…。」

夕美子。

「ファッションより、食い気か…。」


そして健之の隣に座っているのが美崎、そして瑞樹。

洋造と瑞樹が楽しそうに会話している。


そしてステージよりには、このディナーファッションショーのスポンサーでもある棚部真理恵、

その夫の棚部賢也、そして長女の棚部優理香。

その隣にセントラル・ムードの社長、ヒサコ・マーラ、そして秘書のミーガン・バリモア、

そしてまだ見た事のないふたりの女性。


夕美子、

「與門さ。」


與門、

「ん~~???」


「あの…ミーガンの隣のふたりって…???」

「さぁ…???私も初めて…。誰だろ…???」



そんなミーガンの隣に座っている女性ふたり…。

この時点ではまだ未知数だが、

今後、夕美子にとっては掛け替えのない存在になってくるふたりでもあった。



やがてディナーファッションショーもフィナーレを迎える。

ショーにしてもディナーにしても大盛況。


最後にスタッフやモデルたちから囲まれたヒサコ・マーラからの感謝の言葉で会場内拍手喝采。

両腕に抱えきれないほどの花束を受け取るヒサコ・マーラ。

止まない拍手の中でショーは幕を閉じる。

それでもゲストたちは全く席を立たずにディナーが続けられている。


今までとは異なる静かなBGMの中、あちらこちらで聞こえるゲストたちの声、

「ショーもそうだけど…、凄い美味しい~。」


「おぅ、まさか…これほどとは…。」





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