表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
213/233

手を握って…。 vol.216 「私…副編集長の事、好きです。」

「でも…、でも…。それでもいいんです。私…副編集長の事、好きです。」

大きな声でハッキリと若。


健之、運転しながら、言葉が出ない。そして数秒の沈黙。


若、少しずつ鼓動が収まってきた。

「…ごめん…なさい。いきなり…こんな事言って。」

途切れがちに息を吐きながら…。


健之、

「ん…???」

そして笑顔で若の顔を見て、

「ううん…。」

そして、

「若…ちゃん…。…勇気…出してくれて、ありがとう。」

そして前を向き直して、

「…いやはや…。しっかし…、びっくりしたね~~。そっか~~。そうだったんだ~~、全く気付かなかった。かかかか。」


そんな風に笑う健之に若。

「…ですよね…。可笑しいですよね、こんな…妹みたいな私が副編集長の事、好きなんて…。」


健之、その若の声に、

「いやいや。そういう事じゃなくって…。」


若、

「えっ…???」


「前に、新條さんからも言われた事があったんです。」

「えっ???」


「高梨君と僕…。鈍感男だって。」


その健之の声を聞いて若、

「あっ、いえ。私…、副編集長の事、鈍感なんて…。」


「ははは。いや、大丈夫。単に、あの時の事、思い出しただけだから。」


そして、また少し沈黙。


「ありがとうね、若ちゃん。」

健之。


若、

「えっ…。…あっ…。」


「そんな風に、思ってくれて…。」


雑誌社近くの交差点、黄色から赤に。


「そっ、僕は新條デスク…、好きだ。これはどうしよもないよ。」

信号機の赤を見て、交差点を通過する車を見ながら健之。


「知ってます。でも、新條デスクは…、あっ。」


その若の声に健之、

「ん……???」

ゆっくりと車を走らせる健之。

「…そっか~~。新條デスク…、好きな人…、出来たか。」


その健之の声に若、

「あっ、あの。」


ゆっくりと地下の駐車場に入る車。


「だからと言って、私……。」


車を止めて、ギアをRに。体を後ろに捻って、

「ははは。若ちゃんは何も悪くないよ。」


「副編集長…。」


車をライン内に納めて、

「多分、僕の見立てからすれば、新條さん、好きになろうとしてるの…。高梨君じゃ、ないかな~~。」

シートベルとを外して、ドアを開け、車から降りながら、

「ほぃ、お疲れ様、若ちゃん。」


シートベルトを外して、

「お疲れ様でした。」

ドアを開けて、車の外に、若。


健之、

「驚かないところを見ると…。」


若、俯きながら、

「実は…。3週間前に…。ベルモンドで…。今度のディナーファッションショーの事で、デスクに背中を押されて…。その時、洋造さんから、彼女から言われりゃあ、仕方ないよな~~。…って。もう…その流れで、結局…、デスクの彼氏も…ワコウさんに…。」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ