表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
206/233

手を握って…。 vol.209 和弘、「いや…。参っちゃって…。」

由香里、

「ん…。まぁ…。あの時は…ね。ね、悠宇。」


悠宇、

「うん。まぁ…、今までにない発想でのブランド立ち上げ…でしたから…。リリースまで、一切の取材お断りで…。…と、言うより、知名度もあまりなかったんですけど…。」

苦笑いをする悠宇。


「まっ、それでも、どこからか、嗅ぎ付けるもんなんだよな~。マスコミは~~。」

「それから数日でリリースして。その途端です。一気に…ダ~イナマイト。ヒサコ・マーラの名前がニューヨーク中に、広がった~~。」


「私たちも…あの時は…数日…徹夜続きだったよね。」

悠宇にくすくすと笑って。

「私なんて初めての経験だったから、もう…ダウン寸前。…ったく…、悠宇がいなかったら、どうしようもなかったね~~。かかか。」



「へぇ~~。やっぱり凄い人なんだ、ヒサコ・マーラ。」

心。


「うん。その頃かな…。2度くらい…、取引先から食事の招待でジュンジョルジュでね~。シェフと、今の藤見さん。トモカ・フジミで通ってたから、あの頃は…。数名のシェフと会ったね。」

悠宇に。


「うん。」


「じゃ~、シェフのジャン・クロードさんとも…???」

いきなり和弘。


その声に由香里、

「うん。物凄いカッコいい叔父様。映画俳優みたいな人なんだわ。」


和弘、

「へぇ~~~。」


由香里、

「…ん…???…って言うか、ワコウちゃん!!!」

カウンタをパンと叩いて由香里。


その音と声に、

「はい。」

と、和弘。


「…で、彼女の話し…なんだったの。夕美子、心配してる。教えてあげないと。」


若、心、

「うんうん。」


洋造、

「ワコウ…。」


和弘、その由香里の声に、いきなり困ったような顔をして…。

首を傾げたり、そっぽを向く様に…。

「いや~~。」

仕舞には額に左手の平を当てて。


由香里、

「ど~~したの~~。」


和弘、

「いや…。参っちゃって…。なんで、僕なのか…。」


由香里、

「はい…???」


若、心、

「へっ…???」


和弘、

「ん~~~。藤見さんが言うには…。」


由香里、

「うん。」


「ニューヨークに…来てくれ…って…。」


由香里、

「そんなの…。行けばいいじゃ~ん。折角の好意~~。ねぇ~洋造さん…。」

と、言いながら洋造の顔を見て。


洋造、顔が止まっている。


「洋造…さ…。…えっ!!!ワコウちゃん。今、何てった???」


和弘、ぽつりと、

「ニューヨークに来てくれって…。」


由香里、

「ニューヨー…。え゛―――――――っ!!!…ニューヨーク~~~。」

口をポカーンと開けて由香里。


隣の若、心、目をパチクリ。

「……。」


心、思いっ切り、口の中のものを飲みこんで、

「ニュ、ニュ。…つまりは…???ワコウちゃん…???」


「つまりは…、シェフとして…、育て…たい…って…。」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ