手を握って…。 vol.020 「あんたも…そろそろ…、可愛い子~~。」
「それはそうと…。仕事も…変わって、少しは満足できる状況なら、ようやく…。」
料理をガツガツ食べている健之を見て瑠唯子。
「何よ、その…ようやくって…???」
キョトンとした顔をして健之。
「あんたも…そろそろ…、可愛い子~~。でっきるんじゃないかってな~~。かかか。」
笑いながら瑠唯子。
その途端、吹き出す健之、
「ぶっ。」
「きったないなぁ~~。」
テーブルの上を布巾で拭きながら。
「あにお、おんな、あけもああんないおろ…。」
「食べながら、しゃべんな。箸、進めんな。」
「らっれ…。」
「さってと…。私もお風呂、は~いろうっと。健~。そのまんまで良いからね~。余計な事、すんな~。」
テーブルを離れる瑠唯子。そんな瑠唯子の背中に、
「それはそうと…、姉貴~、五大さんとは、上手くいってんの…???」
「やごっちゃん…???…ん~~。当~然でしょ。…だから、あんたもって…言ってんの。」
ここで言う「五大。」そして、「やごっちゃん。」とは、瑠唯子の婚約者である。
名前を国谷五大。父親と同じ清川建設の社員である。
凡そ2年の付き合いとなっている。
健之、
「ほぅほぅ…。それは、それは…。」
湯船に浸かりながら夕美子、
「ふ~~ん。ベルモンドに新しい人か~~。ワコウ…。どんな人…???」
1時間前に真奈香から電話で、知らせてくれたのであった。
部屋のドアを閉めてリビングに木乃美。
春樹、
「寝た…???」
「ん~~。ようやく…。で~~、新しい編集デスクさん…、どうよ…???」
「ん~~。まっ、何とかやってくれるんじゃ…ないでしょうかね~~。とにかく、社長がえらいお気に入りだから…。」
「ふ~~ん。」
「あっ。そうそう…、煌と夕美には…言っておいたから、たまには遊びに来いって。チビたち、怒ってるって。美希ちゃんに会えないってね。」
「ははは。サ~ンキュ。ふたりとも…忙しいからね~。こっちから行っても、結構お目に掛かれないから…。それに…。」
「與門の母さん…???」
「どうしてもね~~。つきあい…づらい…。そう言う意味では、煌は…凄いわ。ははは。」
「できてる…???」
「うん。」
「な~に言ってる~。おまえだって、かなり…。」
「ふふ~ん。ニッ。旦那様~。」
そして春樹に抱き付く木乃美。
部屋のドアを開けて、
「さてと。行きますか~。」
夕美子、早朝のジョギングである。