表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/233

手を握って…。 vol.002  そんな與門の声に…。

そんな與門の声に、

「…ったく…。今、大阪にいるあんたに、新宿に来い。な~んて言える訳、ないでしょ。」


「どう、間に合いそう…???」

「そんなの分かんないよ。今の今だもん。…もしかしたら、もう車で成田、向かってるかも知れないし…。」


「夕美子~~~。」

「もう~~~、電話している時間、無駄!!!一旦、切るよ。」


そのまま、電話番号登録から、ポン。

数回のコールで相手が出る。


「あっ。もしもし、おはようございます。…桜華の新條です。お世話様です。…あの…古家(ふるいえ)さん…。……。」


電話をしながら、急いで上着を左手に夕美子。

パンを口に、倫洋に、目と手で合図して…。


倫洋、

「…くくっ。はいはい。相変わらず…忙しいようで…。」


ドタバタと急いで準備をして夕美子。腕時計を見て、そしてスマホを耳に、

「あっ、はい。分かりました。」


倫洋、

「…ったく、大丈夫なの~~。姉ちゃん…。」


ガソゴソとしながら、部屋から出てきて、右手を倫洋に振りながら、

「ごめん、倫~~。あとお願い~~。」


…と、言ったかと思ったら、ドアをバタン。



数秒後、

「…あれじゃ…。嫁の貰い手は…。」


その後に溜息。

「…ふぅ~~。まず…無理か~~。」




駆け足で通りまで出て、そのまま駅まで。

「頼む~~。間に合ってくれ~~。」


電話では、あと30分くらいでホテルを出ると言ってきていた。


夕美子、頭の中で、

「…無理難題吹っ掛けるんだから、もう~~。」


駅前の横断歩道の赤で止まり、

「あ~~、も~~いらいらする~~。」

と、ブツブツ言いながら、

「幾ら何でも…、無理だよね~~。」


頭の中で逆算しても新宿駅まで到着しての30分は悠に掛かる。



「仕っ方ないか~~。経費で落としてね~~、相場ちゃん。」


横断歩道を渡り、駆け足で、駅前のタクシーに、

「20分で、新宿まで。」


運転手、バックミラーを見て、

「はい。」


そして、

「え―――――――っ!!!…お…、お客さん。…そりゃないでしょ。幾らなんでも、ここから…。20…。」


「無理は承知。…でも、やんないとしょうがないの、行って、行って。」

「行ってって…。無茶苦茶でしょ。…渋滞…、目に見えてるでしょ。」


「あ~ら。運転手さん、ダンディね~~。」




その頃、大阪のホテルの一室、

「夕美子~~。お願い…。」









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ