表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/233

手を握って…。 vol.200 「ねっ。矢萩さん。夕美子の事、頼むよ~~。」

「…って、言うか…、あの頃は…、まだまだ私、ヒサコにしごかれてたから…。毎日ファッション漬けだったもんね~~。覚えられたもんじゃない。かかか。…でも、ヒサコはもう~一目惚れしてたね~。」

由香里、当時を思い出しながら…。


夕美子、

「ふ~~ん。」


「由香里、あれであんたより3つ下だよって。…でも、私はあんたを徹底的に私の片腕にするから、そのつもりで…。…ってね~~。かかか。何回聞かされたか…、その言葉。」


夕美子、健之、

「……。」


「まっ、でも…そのお蔭で、私は、ここまで来れたから。恩人だよ、ヒサコは…。」


夕美子、

「マーラさんね~~。凄い人だよね~~。」


「しかも…、そんな繋がりで、夕美子と再会出来たんだから、もう~縁って…凄いよね~。ねっ。矢萩さん。夕美子の事、頼むよ~~。ただいま、彼氏いない歴、更新中なんだから…。」


その由香里の声を聞いて夕美子、ドキン。


健之、

「あっ、いや…。由香里さん…、勘弁して下さいよ~~。」


「うかうかしてたら、取られちゃうぞ~~。」


健之、

「えっ!!!」


「でも…矢萩さんも…結構…モテたりも…するんだよな~~。まっ、当然と言えば、当然か…。かかか。」


夕美子、健之、

「は…あ…???」


「夕美子も…、うかうかしてたら…取られちゃうぞ…。」


夕美子、

「は…あ…???…いや…。なんで、由香里…、どういう意味…???」


そう言いながら夕美子の頭の中に甦る、あの道路上での出来事がまた…。

少し顔を赤くして…。


健之、顎を指先で掻きながら、

「ん…、んんん。」




帰りの車の中、殆ど会話がないままで…。


運転しながら、いきなり健之、

「新條…さん…。」


夕美子、突然名前を言われて、

「あっ、はい…。」

少し高鳴る鼓動。


健之も同じように、少し高鳴る鼓動、

「新…條さん…???」


「は…、はい。」


それから言葉が続かない健之。

「あ…、いや…。」


「はい…???」

「あっ、いや…、なんでも…。…うん。」


夕美子、

「は…い…???」


「…いや…。なんでも…。」

そして、

「…って、言うか、いきなり、由香里さん、あんな事…言い出すから…。…もぅ~~。」


そんな健之に夕美子、

「ぶっ。」


健之、

「は…あ…???」


「くくくくく。」

「何が…くくくく…???」


夕美子、

「いや…、だって、思い出したら、可笑しくなっちゃって…。」


健之、

「はい…???」


「だって、矢萩さん、あんなに強いのに…。なんだか…、見てると…凄い…子供っぽいし…。」

「はぁ~~???」


「かかかか。うん。矢萩さん…、いい人だ。うん。」

「えっ…???何…それ…。それ…。どういう…???」


「うん。そのまんま。ずばり、いい人。そして、素敵な人。カッコいい人。」


健之、

「……。」


途切れる会話。


鼓動が高鳴る健之、

「新條さん。夕美子さん。」

いきなり健之。


夕美子、

「わっ。びっくりした~~。」


「新條さん…、好きな人…いますか???」

ス~~ッと、引いて行く鼓動。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ