手を握って…。 vol.199 夕美子、「わっ。ここ…かぁ~~。」
「それにしても、大胆な事、考えましたね~。セントラル・ムード。」
資料を見ながら自分のデスクで健之。夕美子に向かって。
「うん。少しずつ、準備して行きましょう。昼前に由香里と食事の予定取ったから、お願い。」
夕美子。
「へぃ。お供しましょ。」
そんな夕美子と健之の遣り取りを聞いていながら與門、若の方も見ながら…。
そして椅子の背もたれにドカリと…、
「ふ~~ん。」
そして、由香里を車に乗せて、予約していたレストランへ…。
…その前に由香里、
「矢萩さん…、ちょいと六本木に向かってくれる。」
運転しながら健之、
「へっ…???予約のレストラン、別…方向…???…あっ、いや…。はい。」
そして由香里、
「ちょっとここからゆっくりね…。」
やがて見えてくる建物。
夕美子、
「わっ。ここ…かぁ~~。」
由香里、
「うん。ここ。」
健之、
「ここって…???…ひょっとして…レストラン…???」
由香里、
「うん。」
「まさか…、ここで…食事…???」
「まっさか~~。かかか。残念ながら、完全…予約制。取れるもんじゃない。」
夕美子、
「ふ~~ん。凄いよね、ここ…。」
由香里、
「うん。ニューヨークでは、ホテルの中にあるんだけど…。」
「ふ~~ん。三ツ星…かぁ~~。」
「さて。んじゃ、行きますか、いつものトコ。…場所、戻っちゃうけどね…。」
健之、
「…って…、何なの…、あの…レストラン…???」
由香里、そんな健之の声に、
「ふふ~~ん。」
食事前と食事中にファッションショーに関する話題で盛り上がり。
由香里、
「さてと。夕美。矢萩さん。」
健之、
「…ん…???」
夕美子、
「うん。あの…三ツ星、ジュン・ジョルジュ。」
健之、夕美子の顔を見て、
「三ツ星、ジュン・ジョルジュ…???」
「うん。実は、昨夜、ベルモンドにある人から電話があった。相手の名前…、藤見…朋花。」
「藤見…朋花…???」
健之。
「さっきのレストラン、ジュン・ジョルジュのスーシェフ。…なにやら…、お目当ては…、ワコウちゃん…らしい…。」
とつとつと話す夕美子。
健之、
「高…梨…くん…???」
由香里、
「ニューヨークでも超有名で、超人気のレストラン。そのレストランが日本に上陸。そんなレストランのシェフが…どうして…、ワコウちゃんに…電話…???」
そこまで話して健之、
「わっ。わわわわ。マジで…???うそ――――――――っ!!!凄い!!!!」
由香里、
「ん~~~っね。…で、夕美、その後…???」
夕美子、
「んんん…、全く…。」
朝のジョギングでも、和弘、何かしら上の空。
夕美子、
「ワコウ…ちゃん。でも…、しっかりしろ~~。」
そう言いながら和弘の右二の腕を両手拳でグリグリと…。
和弘、
「かかかか。痛い、痛い。」
コーヒーを飲みながら由香里。
「私も、ニューヨークにいた時に、ヒサコに何度か連れて行ってもらって…。2度は会ったかな…、藤見朋花。かかか。全~然…思い出せなかったわ。」




