手を握って…。 vol.194 「あっ。あは…。涙出ちゃった。」
和弘、そんな洋造に、
「よ…、洋造さ…ん…。ちょっと…。」
康太、
「マ…、マジで、デスクの…。ワコウ…さん…???」
和弘、
「い…いや…、康太くん…。」
頭を掻きながら…。
夕美子の隣で與門、細目で左肩をちょいと傾けて、
右人差し指で夕美子の左肩をチョンチョン。
「ニシ。」
顔を赤くして夕美子、
「んもう~おじちゃん。ワコウちゃんに迷惑!!!」
その声に和弘も顔を赤らめて…。
洋造、
「ってやんでぃ。彼女、友紀ちゃんだって、喜んでたわぃ。夕美子さんをお願いしますってよ。」
その洋造の声に今度は與門、そして若、康太、
「…友紀ちゃん…???」
洋造、
「ら~~。」
夕美子の顔に顎で、
「夕美の弟の倫洋、その彼女。この前、店に来てなぁ~。」
與門、両手をパン、
「あ~~。そうそう。倫くんの恋人~~。はいはい。これがまた、可愛くって、綺麗だもんね~~。」
洋造、にこやかに、
「あ~~。俺なんか、一発で気に入っちまったぃ。かかかか。冗談が通じるっつぅか…、とにかく可愛い子だわ。かかか。」
そして、少し間を開けて、
「倫には…、勿体ないか…???けけけけ。な~んて言ったら、倫から怒られるって…。かかかかか。」
康太、
「へぇ~~。見た事…ないけど…。」
夕美子、
「康太の…ふたつ…上…。」
若、ドキドキしながら…、
「えっ…???えっえっ…???新條デスクと高梨さんって…???うそうそ。…そう…なんですか…???」
少し顔を赤らめながら若。
夕美子、しっかりと前を向いて、
「ちがう!!!」
與門、隣で、
「…ったくもう~。」
夕美子、隣の若を見て、
「な~~訳…ない…。えっ…???」
若の顔を見て夕美子。
目の前の洋造、
「…ん…???」
夕美子、
「はい…???なんで…若…ちゃん…、涙…???しかも…笑顔になってる…。はい…???」
突然、頬からツ―――っと零れる涙。
若、
「あっ。あは…。涙出ちゃった。」
笑いながら…。グスリとさせて若、
「な…なんだか…、嬉しくって…。デスクと高梨さん。」
夕美子、
「は…ぁ…???」
途端に與門、両手を叩いて、
「きゃっはははは。…くくく。こりゃいいわ。」
夕美子、若に、
「若…。何言ってんの…???」
康太、
「デスク…???」
若、
「あ…、あの…。」
目をパッチリと若。
その目を見て夕美子、いきなり若を右から抱いて、
「はぁ…。なんで、あんたは、そんなに可愛いんだよ~~。こんにゃろ。」
そして元に戻して…。
若、
「てへへへへ。」
「まっ、妹が増えた感じだもんね~~ブリリアントは…。」
洋造、
「夕美…???」
グラスの中のビールを一口飲んで夕美子、グラスを見て、そして和弘の顔に、
「ワコウちゃん。こんなおばさんで…良いのぉ~???」
洋造、
「…ってやんでぃ。5つしか…違わねぇじゃねぇか…。」




