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手を握って…。 vol.192 「彼女の…好きな…男性が…。」

そんなルイに由香里、

「ふふ~ん。…若ちゃん。」


「うん。可愛い女子編集者の…???」

ルイ。


「うん。…もしか…したら、彼女…。彼女の…好きな…男性が…。」

そのままルイの顔に、自分の顔を近づけてニッコリと。


その由香里の顔にルイ、

「うそ。へっ???…あの…、若…ちゃんが…???…え~~~~~~!!!」


「そうだとしたら…。どうよ。」


そんな由香里の声にルイ。

「いやいやいや。それは、あり得ないでしょ。幾ら何でも。」


「カカカカ。ワコウちゃんと同じ事言ってる。移ったか、ルイ…???」

「わっ、ほんとだ。」


右人差し指をルイに立てながら由香里。


ルイ、

「でもさ……。ちょっと、ちょっ…。」

話しながら駅に向かうふたり。午後7時半過ぎ。




店に入ってくる面々を見て洋造、

「おやおや…、康太~~。女性陣に囲まれて~~。えぇ~~。」


「…って言うか、編集局に残ってるの、このメンバーだったからね~~。」

與門。


洋造、

「ほぅ~~。」


スツールに手を掛けて夕美子、

「信玄は大学同期との飲み会でキンコンダッシュ。そして他の女性陣は待ちに待った映画の公開日。」


「みんな、一目散。っと~。」

與門。


「あっ、そっか。今日でしたっけね~。マイ・インターン。」

グラスを磨きながら和弘。


「おや、ワコウちゃん、知ってるね~~。」

與門。


その與門の声に和弘、

「えっ…???あっ、いや…。」

チラリと夕美子の顔を見て。


ペロリと舌を出して口の中に引っ込める夕美子、頭の中で、

「…まっ、私が教えたからね~~。」


「それはそうと…。矢萩さ…んは…???」

洋造。


「ふん。今日は、珍しく定時で、おっ先っ。なんて…。帰ったよね~~。」

與門。


洋造、

「ふ~~ん。」


「多分…、お父さん…???」

いきなり若。


洋造、和弘、與門、夕美子、

「へっ…???」


康太、

「ん…???」


「副編集長のお父さん、海外出張から、帰って来る日…???」

首を左右に傾けながら…、

「…だと、思うんだけど…。ヘヘへ…。」


「あっ、そうか~~。うんうん。前に聞いた事ある。そうそう、矢萩さんのお父さん。…えっと…、何処だっけ…。確か…。」

夕美子。


「ニュージーランドの、オークランド。」

與門。


「そうそう。そこそこ。…って、與門…???」

夕美子。

「良~く知ってんね~~。そんな…プライベートな事まで…。」


「な~に言ってる~~。この前、ここで歓迎会の時、言ってたでしょ。」

「だっけ…???」


「か~~~。隣に座っていて、聞こえなかったの~~。」


そんな與門の声に少し変顔するように夕美子、

「わお。」


「でも…、これで…副編集長のお母さん、ホッとしたかも…。」

また突然に若。


「えっ…???」

與門と康太、そして洋造。





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