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手を握って…。 vol.191 「理由がもうひとつ。」

「けど。私がワコウちゃんに、夕美子を押す理由がもうひとつ。」


その由香里の声に今度はルイが、

「…ん…???」


和弘、洋造共にまた、顔を見合わせながら…。

けれども、今度は洋造が…、

「…まさか…???」


「おっと~~。これは洋造さんも…。」

由香里。


「だから…、ブリリアントに…。」

洋造。


「ま~~。そう…だとは…。私には…分かんないよ~~。でも…。」

そして、カウンターをトンと叩いて由香里、

「さて。今日はまだ仕事…、続くんだわ、私ら。」

スツールから降りて由香里。


「1ヶ月後にはその、ディナーファッションショー。開催だから…。忙しくなっちゃう。」

ルイ。


「な~訳でワコウちゃん。返事、待ってる。一週間以内に。お願い。」

由香里。

「まっ、それ以前にまた来るけど…。」


和弘、

「あ~~。あ、あ~~。あ~~。」

と、トーンをダウンして。


「何よ、そのトーンのダウンは…???」


和弘、

「あっ、由香里さん。その…、理由が…もうひとつって…???」


間髪入れずに由香里、

「お~しえる訳…ないじゃん。自分で、考える。」


そしてルイ、

「洋造さん、ご馳走様~~。」


洋造、

「あいよ。毎度。」


ドアを開けて出て行くルイ。

そして由香里、隙間から顔を出して、手をひらひらと、

「じゃね~~。」



そして和弘はふたりの席の食器を片づけて。

洋造、

「さてさて。…ワコウ~~。」


和弘、

「えぇ~~。」

そして額に手の甲を付けて、

「参ったな~~。」


「…って、言うか、おめえはどう思ってんだ、夕~美子~~。」


そんな洋造に頭を振り、

「どうも…こうも…。遠い…存在…ですよ…。今までずっと…。そう…思ってました。そして、これからも…。」


そんな和弘の声に洋造、

「まっ、だ~~な。仕事が出来る、カッコいい女。」

そして、腕組みをしながら、

「普通の女性だったら…、あんな風には…。熟せねぇか…。」


和弘、

「……。」


空を見るように洋造、

「それはそうと…。そっちも、そうだが…、ディナーショーの方…、どうする気だぃ…???」


和弘、ガックリと頭を。

そして顔を天井に、

「あ~~~。参った~~。どうする…。やっべぇ~~。」





通りを歩きながらルイ、由香里に、

「ねね、私も知らないんだけど、ワコウちゃんにも言ってた、もうひとつの理由…って…???」


由香里、

「あぁ、あれ。チョイと、カマ掛けてみたんだけど…。」


そんな由香里の声にルイ、

「カマ…???」


「うん。…これは。…という決め手は、ないんだけど…。多分…。…しかも、洋造さんも何やら、気付いている…みたい。」


「えっ、えっ。どういう…???」

由香里に詰め寄るルイ。





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