手を握って…。 vol.188 成田国際空港到着ロビー。
2週間後、午後5時20分、成田国際空港到着ロビー。
スーツケースを引きながらロビーに出てくる2人の男性。
がっしりとした男性が出迎えの男性と女性を見つけてニッコリと、
そして手を挙げて合図をして、
「おっ。出迎えご苦労。ははは。元気だったか~~瑠唯子~。」
瑠唯子と健之の父親、矢萩武実である。
「お帰りなさい、父さん。ふふ。」
満面の笑みを浮かべて瑠唯子。
「お疲れ様でした、常務。」
五大。
「おぅ、ヤゴっちゃん、相変わらずかっこいいじゃん。」
そんな武実の声に照れる五大、
「辞めて下さいよ。恥ずかしいですから。」
「な~に言ってる~~。どぅ、式場…決まった~???」
歩きながら武実。
「うん。もうしっかりと。」
瑠唯子。
「OK。Good job.」
「では、常務、私はこれで…。」
武実と同行していた菅野亮平。
「おぅ。ご苦労。…ん…???ははは~~。来た来た~~。菅野ちゃん、ほれ。」
「パパ~~。おかえり~~。キャ~~。」
女の子の声。
そして男の子の声、
「パパ~~。」
自分たちの父親を見つけて駆けてくる。
亮平、
「ははは、ただいま。転ぶぞ~おまえ達~。」
「はは。かっわいい、結ちゃんに、蒼君。」
瑠唯子。
女の子が亮平に辿り着きいきなり抱きつく。
その後からゆっくりと亮平の妻、菅野聡子と長女の菅野一華。
「おかえりなさい、あなた。」
「おかえり、パパ。」
そして聡子、
「お疲れ様でした、矢萩さん。」
そして一華、にっこりと、
「おかえりなさい、おじさん。」
「おぅ。一華ちゃん、おかあさんとチビちゃんたち、ありがとな。」
一華、ペロリと舌を出して、
「うん。」
「折角の学校、設立記念で休みらしかったのに、友達と一緒じゃ…???」
武実。
「ふふ。ふたりにねだられてね。まっ、天気も良いですから、ドライブがてら…。」
聡子。
「そっか~~。お姉ちゃんと一緒で、良かったな~~。ん~~???」
結の頭を撫でる武実。
一華は中学2年生。結と蒼は、4歳と5歳。
つまり菅野亮平の妻、菅野聡子は再婚者である。
いきなり一華、
「お久し振りです、瑠唯子さん。凄~い、綺麗~~。」
そんな一華に瑠唯子、
「ふふん。分かる~~。久し振り、一華~~。」
そう言いながら一華を抱き締める瑠唯子。
自分の妹のように可愛がっている一華である。
「うんうん。五大さんと結婚するって聞いた~~。」
「おめでとうございます。」
瑠唯子と五大にお辞儀をする聡子。
「ほらほら、久し振りに家族サービス、菅野ちゃん。うん。」
武実。
「あっ、はい。では…明日、社の方で…。」
亮平。
「おぅ。俺も今日は…のんびりさせてもらうわ。」
結と蒼、3人に向けて、
「ばいば~い。」
瑠唯子、
「ばいば~い。はは。」




