手を握って…。 vol.018 「あと…4人いる。」
「しっかし…、まさか…、信玄とは…びっくり。」
皿を洗いながら和弘。
「ふん。まぁ~なんだな。天下に轟いていた武田信玄よりは、全く正反対の…、かわいい坊や…的、感じだな~~。」
カウンターの客にカクテルを作りながら洋造。
「ははは。うちには大事な常連さんだ。」
「へぇ~~。」
「…って、言うか、あいつらの元締めが…、実は、俺の姪だったりして…。」
その話に和弘、
「はい…???…そう~なんですか~~???」
「あ~~。さっきの連中に、まだ顔出してないのが、あと…4人いる。ほれ。そこに、雑誌社があるだろ。」
店の窓を見ながら洋造。
「えっ???…あ~~。まだハッキリとこの辺…分かんないですけど…。」
「桜華って、出版会社だ。その中に幾つかの編集局があるが…。その中にブリリアントって、編集局がある。その編集者だ、さっきの連中。おまえに紹介したい連中だ。実に、人間味が良い。」
「へぇ~~。」
「まっ。その元締めも、人間味の良いヤツだけどな…。俺の姪…だけに…。かかか。」
「えっ。どんな人なんですか…。その人って…???」
「かかかか。俺に似合わず、ベッピンさんだ。」
「ふ~~ん。」
「…てか…。ワコウ。おまえ…、あっちの方は…???」
その洋造の声に和弘、
「えっ…???え…、え…???」
「決まってんだろ…。これよ、これ。」
そう言いながら小指を…。
「いやいや…、いやいやいやいやいや。」
「な~にやってんだい。いい若ぇもんが~~。」
「いやいやいやいや。」
「…って~~、言っても…、あそこの連中…、みんな…、コッチは…、いるなぁ~~。」
ボックスの客を見ながら洋造。
「亜季に…、真奈…。美紅…、心…。あ…。ひと…。」
「マスター。同じの…お願い。」
カウンターの客。
「あいよ。」
そして…、
「いや…。あいつは~~…。こいつの…手には…。」
そして、
「かかかか…、そりゃ、無理だわな~~。」
駅のホームで真奈香、
「へぇ~~。ワコウ…君。か…。」
「な~んか…、可愛かったよね~。」
美紅。
「ですよね~。何だか、友達…なれそ。僕。」
康太。
「みたいね~。」
真奈香。
ドアが開き、乗り込む3人。
「でも…、気付いた~???彼の作ったの…。お~いしかった~。」
そんな美紅に、真奈香も、
「うんうん。そうそう。びっくり。」




