手を握って…。 vol.182 「酔っちゃった…かな~~。私…。」
トイレから出て健之。2、3歩、歩いて、
右の方から洋造と和弘の声、
「かかか、盛~り上がってるね~。」
「えぇ…、はは。」
いきなり健之の左側のドアが開いて、
「おや、若…。」
少しトロ~ンとした目で若、ふらりと、
いきなりパンプスの爪先が床の上でカクンと。
そのまま健之の体に倒れ込み、健之の首に顔を埋めるように…。
「お~~っとっとっと…。はは…、大丈夫…若…ち。」
殆ど目を閉じたままの若。そんな若の顔を元に戻そうと、
その瞬間、目を閉じながら顔がゆっくりと動き若、
「ん~~。」
若の顔を起こそうとした健之の唇と若の唇が偶然重なる。
健之、
「!!!!」
その瞬間、若、何かしら自分の唇に触れた感触に気付き目を、「パッ」と。
すかさず顔を離して、
「す…、すみません…。…デスク。」
茫然としている健之。
「今…、何が起こった…???」的な状態で…。
けれども、顔を赤くして困った顔の若に、
「ははは。大丈夫か~~。」
健之に数回頭を下げて、
「酔っちゃった…かな~~。私…。」
そんな若を、優しく左腕で若の左肩を抱く様に、
「か~もね~。」
そしてふらりと頭を健之の左肩に凭らせて。
そんな若に、
「若ちゃん、お酒、強いよね~。」
頭を撫でながら。
「そんな事…、ないですよ~。…その証拠に、今も…ふらっと…。」
「はは。そうか…。あんまり無理…すんなよ。ほぃ。みんな…待ってる。」
「はい。」
「はい、矢萩さん、若ちゃん。」
和弘、ふたりにおしぼりを。
健之、
「おっ、ありがと。…しっかし…、みんな…賑わってるよね~~。」
「それだけ…、話題…豊富。みんな…人間味良い人たちばっか…だからなぁ~。けけけけ。」
洋造。
「はは。全くその通りで…。」
健之。
「若ちゃ~ん。頑張れよ~~。けけけけ。」
若、赤い顔をして、にっこりと、
「はい。ありがとうございます。洋造さん。」
「けけけ。おじちゃんでいいよ、あいつらみてぇに…。…矢萩さん…。しっかりと~若ちゃん。守って下せぇよ~~。」
健之、その洋造の声に、
「え…???」
少し目を左右に…。そして、
「えぇ~えぇ~。もちろん。」
そう言って、若を見て。
若、にっこりと…。
席に戻った健之と若と、入れ違いに夕美子、
「ちょっとごめんね~。次は…私~~ふふ。」
そう言いながら、隣の由香里の新しいカクテルをテーブルに置いた和弘の肩に摑まりながら、
「さすがにワコウちゃん…、鍛えてるよね~~。」
和弘、
「行ってらっしゃい。」
その…傍から別になんの変哲もない姿に、由香里、煌、
「えっ…???」
健之、
「あっ、それはそうと…編集長…。明日…ですよね。一之瀬姉妹の…???」
煌、
「……。ふん。そう…。また瑞樹の得意げな顔~~ふふ。」




