手を握って…。 vol.164 倫洋、「ふ~~ん。…べルモンド…ねぇ~。」
倫洋、
「へぇ~~。そ~んなに旨いんだ~~???」
「うん。友達も一度食べた事あるんだけど、もんの凄いって…。倫のお姉さんも…通ってるお店なんでしょ。」
友紀。
「ん…。まぁ…。マスターとも…、何度か…。」
「行こ行こ。」
倫洋、
「ふ~~ん。…べルモンド…ねぇ~。」
そして、
「わお。こんなに早くから、やってんだ、洋造さんのお店って…。」
ドアを開けて、
「こん…にちわ~~。」
ドアを開けて入ってきた人物を見て、
「はい、いら…。おや。かかかかかか。こりゃまた…、珍しい~。なんと、なんと。」
洋造。
倫洋、
「洋造さん、お久し振りです。」
「かかかか。元気だったかぃ、倫~~。」
洋造の隣で和弘、
「いらっしゃいませ~~。」
そして、
「…???」
洋造、
「おや…、そちらの美人さん…、倫のこれかぃ…???」
小指を出して…。
倫洋、少し照れながら、
「…洋造さん…。」
友紀、きっぱりと、
「は~い。倫の彼女で~~す。」
「かかかか。こりゃ、参った。…素敵な女性にパンチ喰らったわ。」
洋造、すかさずオデコをペン。
真ん中のスツールに納まりながら倫洋、
「ご無沙汰してます。」
洋造、
「おぅ。元気でなにより。」
「洋造さん…、そちらの…???」
「へっ…???倫…、おめぇ、夕美子に聞いてねぇのかぃ…???」
その洋造の声で少し赤くなる和弘。
「けけけけ。姉ちゃんの…これ…だょ。」
またまた小指を立てて。
その途端、倫、
「!!!!うそっ。」
和弘、
「ちょっ、ちょっと…洋造さん…。」
「えっ???マジで!!!!夕美子さんの彼氏…???凄~~~~!!!」
口に両拳を当ててドキドキしている友紀。
「しかもイケメ~~ン。」
倫洋、
「な…何で…???何で。何で、何で、何で!!!」
和弘、
「あ…、あの、あのあのあの。ち…ちょっと、待ってくれますか…???」
物凄い動揺を隠せない和弘。
ニヤニヤしながら、
「どぅでぃ、カッコいいだろう、姉ちゃんの彼氏~~。ん~~~~。」
和弘に、指を指しながらの洋造。
友紀、
「うんうん。うんうんうん。カッコいい~~。夕美子さん。さっすが~~。仕事も、出来れば彼氏も。凄~~~い。」
和弘、完璧に焦って、
「ち…、ちょっと待ってくださいって。」
顔を少し伏せながら、
「違いますよ、違います。新條さんの彼氏なんて、とんでもないですよ。怒られますよ。新條さんに。」
しょぼくれるように和弘。
倫洋、
「ね、姉ちゃん、俺には何にも言ってないけど!!!」
「あ…、あの…。すいませんけど…。新條さんの…、弟さん…、ですよね。」
口の中でゴクリと。
「こ、こんにちは。初めまして、高梨和弘と言います。」
初めて見る男性からいきなり自己紹介されて倫洋、
「あ…、あぁ、初めまして、新條夕美子の弟の、倫洋です。どうも…。な…、何が…どう…???」




