手を握って…。 vol.158 「素敵な殿方ふたりも前にして…。」
「でも…、良く手に入れたわよね~~。何…???青酸…カリ…???チョコレートに…???」
由香里。
「えぇ~。そこまではチョット、教えてくれなかったんですが…。多分、ネットの闇サイトでは…ないかと…。…と、まっ、これは…僕の憶測ですけど…。」
早瀬。
亜季、
「それにしても…。」
「3人の名前を使ってのインサイダー取引って…。」
夕美子。
健之、
「出来る…もんなんですか…???」
「やろう…と思えば…。可能…で…しょうね~~。それだけの知識さえ…あれば…。」
「う~~~。凄い女。」
亜季。
「でも…。」
にっこりと、和弘。
「戻ってこれて…、良かったですね~~與門さん。」
「ふふ…。これも…夕美とワコウちゃんのお蔭。ふふ。」
煌。
一瞬、右目を瞑る夕美子。思わず赤くなる和弘。
その煌の声に亜季と健之が、
「えっ!!!」
亜季、
「へっ…???夕美子とワコウちゃんのお蔭って…編集長…???」
健之、目をパチクリさせて…、
「あれ…???あの朝…。…なんだ…、はは。新條さん…、高梨君と一緒のジョギングだったんだ…。はは、そっか…。」
口を尖らせて亜季、
「ほ~う、ほ~う。」
早瀬は健之と夕美子の真ん中で…、目を左右に、
「……。」
まっすぐ妻の顔を見て、顔をクシャクシャにして…。
煌は、
「ふふ~ん。ふふ…。」
由香里、頭の中で、
「…お~もしろくなってきた~~。」
そんな由香里を見て洋造、
「かかかかか。」
「な~に笑ってるかな~~おじちゃ~ん。」
夕美子。
「あ~~。あ~~。いやいや…。」
そして由香里の方に傾き、
「かかかか。」
由香里、口に右手の平を当てて、
「ぷぷ。」
夕美子、
「ゆ~か~り~~。」
「はいはい。素敵な殿方ふたりも前にして…、夕美~~。どうする~~。くくく。」
「おやおや…。では…、所帯持ちは…、これにて…。」
そしてゆっくりとスツールから降りて、
「矢萩さん…、ほんとうにありがとう。今後とも、良いお付き合い…出来れば…。是非。」
健之の左肩に右手を…。
健之、途端に早瀬に向き直り、
「あっ、はい。今後とも…是非…。」
「じゃ、夕美ちゃん、亜季ちゃん。お・や・す・み~~。おやっさん、高梨君、お疲れ~。ママ、先に休むわ。」
煌、
「うん。」
裏の方に消えていく早瀬。
洋造、空いた席を見て夕美子に目配せ。
夕美子、
「……???…も…もぅ…。分かったわよ。」
空いた席に落ち着く夕美子。
カウンター内で煌、
「くく…。」
そして亜季を見て…。
亜季、
「あ~~い。」




