手を握って…。 vol.156 「前に…、見た事があるような…、ない…ような…。」
「…って言うか。ブリリアントで、由香里の顔知らないのっていないけど…。…けど~~。由香里は…。ウチのメンバー、半分以上…、知らないか…???」
夕美子。
夕美子の顔の脇から、
「改めまして、小曾根亜季と申します~~。今後ともブリリアントをよしなに~~。」
「マスター、ご馳走様~~。」
先ほどの二人連れ。
與門がレジで会計を済ませ、
「ありがとうございました~~。またどうぞ~~。」
ドアの外へ。
由香里、
「…ん…???今の人…???あれ…???…どっかで…???…ん~~~~???」
腕組しながら…。
「…ん…???どうしたんですか、由香里さん…???」
健之
「…ん…???あ~~。ん~。ちょっとね~~。前に…、見た事があるような…、ない…ような…。」
「今の人たち~~???」
「ん~~~。まっ、いっか~~。その内、思い出すかも…ふふ。」
そんな由香里に洋造。
「そう言えば、何度か来てるな、あの2人。ピタッと、来なくなって。また来たな。なぁ~、ワコウ。」
和弘、與門の運んだ皿を洗いながら、
「えぇ~~。そうですね~~。いつも2人連れ…かな…???」
和弘。
亜季、
「ふ~~ん。」
「あっ。失敗!!!」
いきなり両手を打って、両手でカウンターをペタペタと打って、
右隣の亜季の左肩をトントンと與門。
「わお。ビックリした~~。何々…どしたの、編集長~。」
亜季。
前で料理を作りながら與門を見て首を傾げている和弘、
「…???」
なにやら気付いたように與門。
「バッカだね~~。とんでもない大馬鹿だわ~~。ふふ。」
亜季、夕美子、
「は…あ…???」
そしてスツールから離れて、
「ちょっとゴメン。」
裏口へと駆けて行く與門。
亜季、和弘、洋造、夕美子の顔を見て、
「えええええ…???どしたの…編集長~???」
和弘と洋造、顔を見合わせながら…、
「…???」
首を傾げて。
夕美子、瞳だけをキョロキョロと。そして、
「あっ。はぁ~ん。な~るほど…。ふふ。」
そして和弘の顔を見る。
和弘、
「…ん…???」
右左見て、そして自分の身なりをキョロキョロと。
夕美子、そんな和弘を見て、
「ぷっ。ち~がうって、ワコウちゃん。」
和弘、
「はい…???」
そして夕美子、隣の健之の左肩にトンと、両手を添えて、
「ありがとう…ございました。」
健之、右目を細めて、
「はい…???…何…???何々…???」
夕美子、途端に、健之と和弘を交互に見ながら、
「んもう~~。この鈍感男~~。」
口を尖らせながら…。
亜季、由香里、口をすぼませて、
「う~~っわ。こ~~わ。」
和弘、健之、そんな夕美子に、
「鈍感で…、すみません。」
コクリと。
その途端、亜季、両手を叩いて、
「キャッハハ。おんもしろ~い。夕美子、手玉に取ってるよ。かかか。」
洋造、
「けけけけ。…ったく~~。」
由香里、
「はぁ~~あ…???」
そして裏口の方から、煌の声、
「はいはい。はいはい。」




