手を握って…。 vol.153 「麻布セントラルムードにようこそ~~。」
ホームに降りて、そして階段を降りながら、健之、
「はは、何だか…、嬉しいっすね~~。」
夕美子、
「ん~~。ああいうのを見ていると、作って良かったって、思えるもんね~~。」
そして10分後には…。
「いらっしゃいませ~~。麻布セントラルムードにようこそ~~。」
ルンルン気分で迎える由香里。
健之、
「へぇ~~。初めて入ったよ~。麻布セントラルムードのお店~~。」
由香里、そして夕美子、
「でしょ、でしょ。」
何度も頷いて健之、
「これなら行ける。うんうん。納得。おぅ、はっ、悠宇さん。それにルイさん…。」
別室から出てきた、しかもお茶の入ったトレイを持っての悠宇。
「いらっしゃいませ、矢萩さん。」
ルイ、
「ども~~。」
健之に敬礼の挨拶。
健之もそれに合わせて、
「うん。ども。」
そして、
「いやいやいやいや。いいねぇ~~ここ~。へぇ~~。」
夕美子、クスリと…、
「なんだか…子供みたい。矢萩さん…。」
そんな夕美子に、
「いやいやいやいや。子供みたいって、ほんとうに良いんだから、しょうがない。うん。」
由香里、
「お褒めに与り、恐縮の至りでございます~。」
「でも、これだったら、本当に、しっかりと…応援したくなりますよね~~。うん。…お客さんも…素敵な人たちばっかりでしょ。」
「えぇ~~。物凄い素敵な方々ばかり。感謝に堪えませんわ~~ふふ。」
悠宇、
「とにかく、どうぞ。」
椅子に勧めて。
「立地にしても…、願ったり叶ったりだ~うん。ども。んじゃ、失礼します。」
「ごめんね~、忙しいところ~。」
夕美子。
「…と、言いながら、それでも用があるくせに。」
口を一文字にして由香里。
「うん。」
ドアが開いて、悠宇が、
「いらっしゃいませ~~。」
店員のひとりに合図をして。
ルイ、
「あれから、調べてみたんだけど…。」
健之、
「うん。」
「何とびっくり、私のママ…、既に調べてた…。」
夕美子、
「うん。そう。さっき訪ねたお得意様…。比沙子社長の友達だったの。」
ルイと由香里、悠宇、
「うっそ!!!」
夕美子、
「うん。私だってびっくりしたんだから…。」
由香里、
「お~やおやおやおや。」
健之、パソコンの画面を見て、
「…やっぱり…。」
被害は数件に及んでいるようだった。
つまりはデザインの盗用はもちろんの事、画像の盗用、テキストも同様。
そして無断販売で、価格が半額に近い。
しかも、完売、在庫切れも目立っている状況。
「あきらかに…、ネット犯罪ね~~。」
由香里。
「目の前のこの状況、分かっているのに…。僕たち…何も…。手を…。」
悠宇。
健之のスマホに着電。




