手を握って…。 vol.152 「…また、助けられちゃった…。」
歩きながら夕美子、
「さっきの…、一体…何だったの…???」
健之、
「あぁ、スケートボーダー。」
「ボーダー…???」
「えぇ。ぶつかっておいて何も言わずに…。と思って、一言…言ってやろうって思ったんですが…。何々、早い早い。」
「もぅ~~、び~っくりしちゃった…。」
健之、
「はは。」
夕美子、恥ずかしげに、
「ごめん…なさい。…また、助けられちゃった…。」
小さな声で言う夕美子に、
「な~に言ってんですか~~。そのフレーズ、これで…何回目…ですか…???…ん~~???」
そんな健之をチラリと見て、赤い顔のまま、舌をチラリ。
「さてと。」
バッグからスマホを取り出してポン。数回のコールで相手が出る。
「あっ、由香里~。お疲れ~。今…何処~。大丈夫~???…お店…いるかな…???」
自分のスマホで由香里、
「はい、夕美~。うん。お店いる~~。ちょっと…このままじゃ、オフィス、帰れそうもないもん。」
その声を聞いて夕美子、
「分かった。今…出掛けだから、丁度そっち行こうって思ってたとこ。」
「ふん。いらっしゃ~い。…っと…。…ん…???まさ…か…。ひとりじゃ…ないよね…???信玄ちゃん…一緒…???」
その由香里の声に夕美子、
「あっ。」
そして隣の健之を見て少し…。
スマホの向こう、
「何よ、その…あっ。…って…???」
「いや…。」
「あ~~ん。な~るほど~~。」
すかさずスマホの向こうで由香里。
「どうぞ~~。いらっしゃいませ~~。デスク同士~~。さぞ、素敵な光景…でしょうね~~。ニッシッシッシッ。」
「どしたの…???新條さん、顔…赤いけど…???」
スマホから聞こえる、いきなり、
「矢萩さ~~ん。」
夕美子、
「声、おっきぃ。」
「ちょっと…失礼。」
健之、夕美子のスマホを左手で…、
「はい。矢萩です。」
スマホの向こう、
「おふたり、ご一緒に、いらっしゃいませ~~。どぞ~。お店の方に~~。かかかかか。」
「はい。これからお伺いしま~す。」
そしてスマホを夕美子に返して、
「ふん。」
にっこりと。
夕美子、
「じゃ、じゃ…、30分後に…。」
「お待ちしております~~。」
電車に乗りながら、乗換で乗客が移動しながら、
夕美子の前に3人の…大学生だろうか…。
あるアイテムを着用して、ファッション雑誌を開いたままで、
二つに折ってそのページを見ながら、
「これこれこれこれ。私、これ絶対にゲットする。うん。」
別の女性も、
「そうそう。私もそれ。良いよね~~。」
そんな女性を見ている夕美子、
「…ん…???…えっ…???あれ…???」
そして記憶を辿って…、
「わお。」
思わずにっこり。
頭の中で、
「ミス・フローラルだ…。ふふ…。それに…このページ…。」
思わず健之の右二の腕を左肘で…。




