手を握って…。 vol.149 ふたりから頭を深々と下げられて喜子…。
夕美子、
「この度は…、大変、申し訳ございませんでした。ご迷惑、お掛けしました。」
いきなり夢野に深々と頭を下げて。
健之も同様に頭を下げて、
「お怒りの事は、ごもっともです。申し訳、ございませんでした。」
ふたりから頭を深々と下げられて喜子、
「あっ、ちょっと…、ちょっと…。おふたりとも…。」
慌ててふたりに両手を差し出して、
「そんな…。」
そして、
「あ~~ん。…困ったな~~。…もう~~。頭…上げて…くれる~~。」
夕美子、健之、
「……???…は…あ…???」
少し困ったような顔をして喜子。
「…いや…。はは…。あははは…。」
夕美子、健之、またまた顔を見合わせて、
「…???」
「実は…ね…。まま。あっ。ごめんなさい…、どうぞ、お座りになって…。」
夕美子、健之、
「…???…はぁ…。」
「実は…、ブリリアントさんに…電話した後に…。……。」
夢野の話を聞いて夕美子、健之、
「えっ!!!」
「はい…???…なんと。」
喜子、
「…と、言う訳…なのよ~~。」
夕美子、
「わお。」
「もぅ~~。ふたりとも…敵に回しちゃうと…、私も…、実際…困っちゃうのよ~~。」
唇をへの字にして喜子。
ブリリアント編集局に電話した後に、夢野は杉田に怒りの電話をしたのだった。
その際、逆に杉田から激怒され、一切の楽夢喜夢との取引を停止すると申し渡された。
過去の桜華との取引での業績は楽夢喜夢としても上位である。
それだけ桜華の宣伝効果は群を抜いていた。
しかも驚く事に、夢野がこのインターネットでの変化を知るよりも前に、
情報を入手していた人物がいた。麻亜羅比沙子である。
そしてその情報を基に秘書のミーガン・バリモアに調べさせていたのだった。
その結果、娘のルイですら知らない、比沙子の日本での友人である、
夢野喜子も同じように被害に遭っている事を知ったのだった。
そしてその比沙子からまさかの、杉田との電話が終わった後に、電話が…。
その電話でも比沙子から、「自分の信頼する雑誌社を信用できないでどうする!!!」と、
大激怒されたのであった。
夢野としても、今正に人気急上昇になっているセントラル・ムードを敵に回すとなると…。
話しを聴きながら夕美子、目をパチクリ。
健之、夕美子の顔を見て、
「なんなの…、この繋がり…???」
夕美子、左手を健之に振りながら、
「いやいや…、私の方こそ…びっくりだわ。」
「…と、言う訳で…。新條さん、矢萩さん。こちらこそ、信用しなくって、ほん~とに、ごめんなさい。申し訳ない。杉ちゃんにも、比沙子にも、あれだけ怒られたら私…。どうしようも…ないわ。」
逆に夕美子と健之に頭を下げる喜子。
夕美子、
「あっ。いえいえ…社長…。」
両手を前に、健之も、
「とんでもないですよ。」




