手を握って…。 vol.148 「お久し振りです、夢野社長。」
健之の声をスマホで聴きながら正樹、
「他にもあると…、言うと…。」
健之、
「インターネットで、あるウェブサイトがファッションアイテムを販売しているんだけど…。」
正樹、
「うん。」
「そのアイテム…と言うのが、どうやら…盗作か…、多分…無断使用。…更には、無許可販売行為。」
「ほぅ。」
「既にウチが被害に遭っている。取引先からクレーム。そして、別のお得意様からも、無断使用で販売。」
「ふ~~ん。…で、そのウェブサイトって言うのは…???……うん。うんうん。」
真奈香、心、美紅、
「デスク。」
「わっほ。」
「ん~~。や~り~。あ~ねき殿~~。」
夕美子、
「うん。」
健之、
「頼めるか、正樹おじ。」
「おぅ。先ずはこっちも事実確認だ。それからだ。大方ネット犯罪だろ。まだ向こうさん…、気付いてないようなら…。」
「あぁ。それじゃ。…助かる。」
「おぅ。任せろ。」
電話を切って健之、
「新條さん。」
夕美子、
「うん。」
「じゃ、行きましょうか。」
康太、信玄、
「行くって…???」
真奈香、
「ば~か。決まってんでしょ。」
心、
「楽夢喜夢さん。疑い、晴らさないと。」
美紅、
「えっ、えっ…???楽夢喜夢って…???嘘――――――っ!!!」
真奈香、
「ほんと。」
「じゃ…、亜季さん…。…わ~お。た~いへん。」
「社長、ブリリアントさん…、お見えになりました。」
事務の女性。
「おやおや、早速…。これは、これは…。」
夢野喜子。
「お久し振りです、夢野社長。」
夕美子。
「この度は…。」
「た~いへんだったわね~。與門編集長~~。」
「えっ…???…はぁ…???」
夢野を見ながら、そして健之と顔を合わせて夕美子。
「インサイダー取引規制違反に巻き込まれて…。與門編集長のご主人。とんだ濡れ衣。」
夕美子、
「あ…、はぁ…。」
「杉ちゃんに聞いてび~~っくり。…で、今、與門編集長…???」
「えっ…???え~~。なんとか旦那様も戻られて。しっかりと容疑が晴れて。」
「そう~~。良かった。うん。」
「あ…、あの…。夢野…社長…???…今回は…。あの…。」
喜子、
「…ん…???うん。…あっ…こちらの方…???」
健之の顔を見て…。
「すみません。申し遅れました。私…、今、ブリリアントで…。」
名刺を夢野に渡そうと…。その時、
「あっ。」
自分の名刺に気付いて、
「すみません。実は私、元々…別の編集局で…。」
けれどもそのままソフィアの名刺を渡して。
その名刺を見て喜子、
「ソフィア編集デスク、矢萩…健之…さん…???」
夕美子、
「いろいろと…、事情が…、ございまして…。はい。」
「ん~~。ふん。そっ。」
腕組みをしながら喜子。




