手を握って…。 vol.145 「亜季はそのまま自分の仕事、お願い。」
夕美子、
「矢萩さん。」
健之、
「ん。亜季ちゃん、ちょっと待って。」
一旦電話を保留して、夕美子を見て、
「3番です。」
夕美子、
「もしもし、亜季。とにかく事実確認は出来た。…でも、このまま楽夢喜夢、乗り込んでも何も解決しないよ。門前払い、目に見えてる。」
傍でカメラマンの、
「OK、OK。いいよ~うん。はい次は~~。」
その雰囲気を目の当たりにしながら亜季、
「……。夕美子…。」
自分の方を見ている健之、真奈香、そして心、信玄。
そして編集局に戻って来たばかりの美紅と康太。
美紅、
「何か…、あった…???」
夕美子、電話口に、
「ああ見えて、夢野社長、もの凄い切れ者だから…。とにかく調べてみる。それから。…それに、考えてみれば、まだ契約違反に…なっている訳じゃないよ。こっちも…ある意味、被害者だもん。」
健之、自分のパソコンに向かってキーボードを打つ。
表示されたページから、ある部分をクリック。
「亜季はそのまま自分の仕事、お願い。」
夕美子。
健之、
「えっ!!!うそ…。在庫…切れ…って…。」
康太、信玄に、
「ねぇ、何か…あったの…???…みんな…何か…凄い…厳しそう…。」
信玄、
「ん~~。」
電話の向こうで亜季、
「うん。分かった。ごめん…夕美子。…ったく~~。やっちゃったな~~。」
「ばか。あんただって、被害者だよ。今、矢萩さん、調べてる。」
「うん。ありがと。お願い。」
「じゃ、切るよ。」
そして、
「矢萩…さん…。」
健之、
「これ…って…。」
その時、また別の電話が…。
信玄、
「はい。ブリリアント編集局、上杉です。」
「あっ、信玄ちゃん、わたし、由香里。」
「あ~~、はい。お世話様です。いつもありがとうござ…。」
「夕美子いる~???」
「えぇ~。デスク~~。」
その声に夕美子と健之、
「…ん…???」
信玄、
「あっ…はは。新條…編集長…???」
夕美子、
「…ん…???ばか。…何…???誰…???」
「茂木さん…、由香里さん…。」
「由香里…???ふん。」
そして、
「お疲れ~~。どしたの…???」
「あん、夕美~~。ちょ~っと~。た~いへん。」
早瀬、
「へぇ~~。じゃ~ママも店に出てるんだ~~。」
「うん。」
にこにことしながら美希。
「マンションだと、いろいろと都合も悪いだろうからって、洋造さんから連絡受けてね~。」
瀬戸。
「実際、気の休まる事…、なかったから…。」
「そう…だろうな~。とにかく、俺としても、何が何だか…。見ず知らずの女性に、やられちまったんだな~~。美希にも、ごめんなさいだな~。なぁ~美希~。」
由香里からの電話で内容を聞きながら夕美子、
「うそっ。そんな…バカな…。そんな事って…???」




