手を握って…。 vol.137 「もしかしたら…と、思うんですけど…。」
「もしかしたら…と、思うんですけど…。」
スマホに話し掛ける夕美子。
そして夕美子の話を聞きながら健之、
「えっ???」
自宅のドアを開いて夕美子、
「ただいま~。はぁ~遅れた、遅れた。」
倫洋、
「姉ちゃん、どうしたの、会社遅れるぞ~。」
「はは、ごめん、ごめん、今朝…朝ご飯…、いいや。すぐ出るから。」
「はぁ~あ…???」
「ただいま、帰りました~。」
玄関に和弘。
洋造、
「おぅ、ワコウ、なんだ…、随分とのんびりなジョギングだったな。えぇ~。」
「おはよう~ワコウ兄ちゃん。」
茶の間から駆けて和弘に絡む美希。
「美希ちゃん、おはよ。」
そして台所に、
「與門さん、今、帰りました。」
煌、
「あぁ、ワコウちゃん、お帰り。」
瀬戸、
「おかえりなさい。高梨さん…、ジョギングなんですってね~。ふふ。逞しいわ。若いってのは、良い事ねぇ~~。」
なにやら、表情が冴えない和弘に洋造、
「何…???どうかしたか…ワコウ~???」
和弘、
「……えっ…。あ…。いいえ…。へへ…。」
出社の途中で正樹に電話をする健之。
正樹、
「うん。うん。分かった。後はこっちでやる。いいか、お前たちは、一切手を出すな。…そして、いいか。一切他言無用だ。いつも通りにしていろ。いいな、分かったな。」
健之、
「あぁ、分かった。正樹おじ、頼む。」
正樹、
「おぅ。」
小坂家の茶の間で朝ご飯を食べながら煌、
「ん~~???ワコウちゃん、どうかした…???ちょっと…表情…冴えないけど…。」
洋造も心配しながら…、
「まさか…、ジョギングしながら、どっか…怪我したとか…???」
和弘、そんな與門と洋造、そして瀬戸と美希をそれぞれ見ながら、
「…いえいえ…。」
箸を持った手を振りながら…。
煌、
「まぁ…。言いたくない事も…若い時には…、あるものよ…おじちゃん。」
洋造、そんな煌の声に、
「…ん…。まぁ…。…だな…。」
和弘、そんな與門と洋造、そして瀬戸と美希を目の当たりにして…。
ご飯茶碗をテーブルに置いて、箸を置いて、
「…やっぱり…駄目だな…。」
洋造、
「ん~~???」
煌、
「……。」
和弘、
「與門さん。洋造さん。」
煌、
「…ん…???」
洋造、
「どうしたぃ。」
「実は……。」
電車の中の夕美子、バッグの中のスマホが鳴っている。
受信メールである。
「矢…萩…さん。」
そして…、メールを開いて、
「…うん。ありがとう。」
そして周囲を見回して、
「…何とか…、出来るだけ早く…、解決して…。」
洋造、
「ワコウ~。」
煌、
「ワコウちゃん…。それって…。」
和弘、
「えぇ…。」




