手を握って…。 vol.130 「美希〜〜。お兄ちゃん、2階だって。」
「美希〜〜。お兄ちゃん、2階だって。」
煌。
その母親の声に美希、
「うん。」
にっこりとして、玄関の方に走って、階段を…。
煌、
「ふふ。じゃ、私も…ちょっと…小坂邸…2階から景色…。」
洋造、
「あぁ〜。のんびりしろや。」
「お兄ちゃん。」
美希。
机の上でタブレットの画面を見て、キーボードを打ちながら和弘、
後ろを振り向いて、
「お〜〜。ははは。来たね〜美希ちゃ〜ん。」
美希、
「うん。こんにちは〜〜。」
「はは、良い顔…してるね〜〜。」
「お兄ちゃん、なに…してるのぉ〜???」
「ん〜〜???お兄ちゃんか〜〜。ちょっとね〜〜お勉強〜。」
「え〜〜。大人になっても…勉強するのぉ〜〜???」
「うん。もちろん。分からない事…多いからね〜〜。」
机の右端に、両手を置いて机の上を覗いている美希、
「ふ〜〜ん。」
「元気〜〜、ワコウちゃん…???」
廊下から與門。
「あっ、與門編集長、はは、いらっしゃい。」
「うん。お世話になります。」
和弘にお辞儀をして。
「とんでもない。こちらこそ、こんな素敵なファミリーと一緒に生活できるの、楽しみにしてましたから…。」
「おやおや。ありがとう。ふふ。美希〜〜。お兄ちゃんの勉強の邪魔…、しちゃ駄目よ〜〜。」
和弘、美希の頭を撫でて、
「かっわいいね〜美希ちゃん。」
與門、
「それはそうと…、この前は…ごめんね〜〜。夕美子とのデート。邪魔しちゃったようで…。」
その声に和弘、
「いやいや、いやいやいやいや。デートなんて…、とんでもない。新條さんに迷惑ですよ。」
両手を前に、ひらひらとさせながら和弘。
「な〜に言ってんだか〜。」
「いやいやいや。新條さんには…ほら…。僕よりもっと…相応しい方…。」
「…ん…???誰…???」
和弘、
「…いや…。誰って言われると…。」
照れながら和弘。
與門、
「ワコウちゃん。…ふふ…。自分に…素直になりましょう〜。女は…、待っている…ものよぉ〜〜。」
和弘、
「與門…編集長…。」
少し顔を赤らませながら…。
「あっ、そして…もう1つ、お願い出来る〜。」
にっこりとさせて與門。
和弘、
「えっ…???」
「その…、編集長…は…、なしにして…もらえる…かな…。ふふ。」
「えっ…???…でも…。」
「夕美子同様、與門か、煌…で…いいよ。ワコウちゃんとは、ず〜っと、きさくな友達でいたいからさ…。」
「えっ。あっ…、いや…。…でも…。」
與門、
「ん〜〜???」
和弘、頭を掻きながら…。
「…参ったな〜〜。」
そして、
「ん〜〜。ちょっと…言いにくいけど…。ん〜〜。はい。…じゃ…、よ・も・ん…さん。」
與門、
「うん。よろしい。はは…。」




