手を握って…。 vol.129 いきなり瀬戸の両手を掴んで洋造。
そして由香里、健之から話を聞きながら、
「今のところは…発展なし…か…。」
健之、
「えぇ。…とは言え…、もし仮に…発展があったとしても…。報道に発表した後に…、教えてくれる…事になってるんですけど…。」
由香里、
「捜査上…の、事だからね~~。うん。」
夕美子、腕組みをして…、
「絶対…許せない。早瀬さんをこんなどん底に落とした相手。早瀬さんがあんな…インサイダー取引規制違反なんて、絶対にする人じゃない。」
洋造、和弘、由香里、そして健之と若、
「ん~~。」
「でも…、なんで、死んだ人のパソコンから…、その…、違反とされる紙面に名前…???…そして、そもそも…、その部長さんと言う人…、どうして毒殺されなきゃ…。」
少し目を潤ませて夕美子。
畳の上で正座をして瀬戸、
「洋造さん…、ご迷惑お掛けします。お言葉に甘えさせて戴きます。」
丁寧に洋造の前で…両手を畳の上に…。
「ちょ~~っと、待った、瀬戸さん。そいつはいけねぇよ。」
いきなり瀬戸の両手を掴んで洋造。
「いけねぇ、いけねぇ。」
首を何度も振りながら、
「あんたらはな~んも悪ぃこた~しちゃいねぇんだ。そんな事をしたら、逆に美希が可哀想だ。」
煌の傍に寄り添うように座っている美希。
目を真っ赤にしながら頬を伝う涙を拭いながら瀬戸、
「…あり…がとう…洋造…。うっ…。」
「とにかく、大変だったな…煌…。」
美希の左肩を抱きながら煌、
「うん。」
「さすがに、かなり…疲れた…か…。」
声も出さずに、コクリと首を縦に、煌。
「毎日、何かしら…電話。…そして…、その中でも悪戯の電話…。電話線…、何度外したか…。」
洋造、腕組みをしながら、
「ん~~。」
「最悪は…玄関ドアの…張り紙…。…そして、外に出れば、必ず感じる人の…気配。」
「えぃえぃえぃえい。テレビドラマだけで、充分でぃ。そんなこた~。」
そして、
「美希~~。パパの事…、心配だなぁ~。でもな~。ママもおばあちゃんも、そしておじちゃんも、夕美子おばちゃんも…、み~んなパパの無実…信じてるんだ。絶対、美希たちの元に、パパぁ~、帰ってくるよ。」
美希の頭を撫でながら洋造。
「とにかく。ここでしばらく、のんびりとしてくれな。煌~。瀬戸さん。」
深々と洋造に頭を下げる瀬戸。
いきなり母親の膝元から離れて縁側に駆ける美希。
そしてあっち行ったり、こっち行ったりしながら…、
「おじぃちゃん、お兄ちゃんは~???」
洋造、
「けけけ。そうかぁ~、ワコウかぁ~~。」
美希の顔を見て煌、
「はは。そうね~。お兄ちゃんに、会いたがってたもんね~美希~。おじちゃん、ワコウちゃん…???」
「あぁ~。2階の部屋で、勉強でも…してんじゃないかぁ~。」




