手を握って…。 vol.123 「さすがおじちゃん。早瀬さん、信じてるもんね~。」
夕美子からの電話で洋造、
「そうか~~。とにかく、とんでもねぇ奴もいるもんだ。人に濡れ衣着せやがるなんざぁ~。外道のするこった~。…ったくよ~。」
そんな洋造の話に夕美子、
「かかか、さすがおじちゃん。早瀬さん、信じてるもんね~。」
與門の耳にスマホを向けて…。
頷いてそのスマホを耳に與門。
「…おじちゃん…。」
涙声で…。
「おぅ、煌かぁ~。心配ねぇよ。早瀬は必ず其処に帰ってくる。容疑が晴れて、お前と瀬戸さんと美希の元に必ず帰ってくるよ。…でなかったら、警察なんざぁ、俺ぁ、一切信用しねぇぜぇ。…ちくしょう。」
最後は涙声になって洋造。
その声を聞いた途端に目から零れる涙の與門。
「うん…。…ありがとう…、おじちゃん。」
涙声の母に、今まで祖母に凭れていた美希が、
「マ~マ~~。わぁ~~。」
泣きながら母親の元に倒れ込む。
夕美子、
「與門…。おじちゃん…。」
鼻づまりの声で…。
和弘、
「新條さん…???」
「…ん…???…あっ、話してなかったね。実は、おじちゃん、與門…、煌と早瀬さんの…仲人さんなの。」
その夕美子の話に和弘、
「えっ。わっ。いや…。へぇ~~。そうだったんですか~~。」
そんな和弘に與門、少しだけ笑顔で、
「うん…。」
「あっ、與門、ちょっとごめん。」
そう言って、まだ切れていないスマホを持って…。
「おじちゃん、ごめん。矢萩さんに…連絡しないと。彼も心配してる。矢萩さんのお蔭で、いろんな事…分かったから。」
「おぅ。かかか。矢萩さんには…いろいろと、世話んなってんな。よろしく伝えてくれや。」
洋造。
「うん。…じゃ、切るね。」
夕美子の電話で健之、
「…そうですか~編集長と会えましたか~。とにかく、事件が早々に解決してくれるのを待つ以外には…。…何かの間違いですよ。私も当然無実、信じてますから…。何か…分かりましたら、連絡します。」
「ありがとうございます。」
そして、
「…なん…だか…、矢萩さんのお姉さんにも…、心配…、掛けたみたい…。」
夕美子。
健之、
「…ん…???姉貴…???…いやいや…。ご心配なく。」
「與門編集長…、明日~~。」
スマホを耳に、健之。
夕美子、
「…うん。この…状況じゃ…。」
そして、数分後…。與門家の電話に何度も電話のベルが鳴り響く事になる。
その中には桜華の社長、藤間純。そして春樹。ブリリアント以外の編集長から…。
けれども東京住永証券には…それ以前から…電話が鳴り止まずの状態だった。
木乃美、
「まさか…。」
「有り得ないだろ…。」
春樹。
「煌~~。」
自分の書斎で…藤間。
ブリリアントの編集者もそれぞれに…、
「編集長~……。」




