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手を握って…。 vol.113 「すみません…。迷惑…でしょ。こんな年下で…。」

「まさか…。本当に…新條さんに…。こんな事…。」

歩きながら和弘。


「ねぇ~~。まさか…、私がワコウちゃん…東京案内するとは…。」

笑顔で夕美子。


「すみません…。迷惑…でしょ。こんな年下で…。」

照れながらも、何かしら…すまなそうな顔で和弘。


そんな和弘に夕美子、いきなり左手を振って、

「ううん、全然。全然。その逆。私の方こそ、こんな仕事しか知らない女で、申し訳なくって…。しかも…年上のおばさんで、申し訳ない限り。」


「いやいや。そんな…、おばさんなんて…。とんでもないです。逆に、僕の方こそ、全く新條さんとは釣り合い取れないって、思ってるくらいですから…。」

「うそ。逆逆~。ワコウちゃんなら、私よりもっと可愛い人…お似合いだと思うんだけど…。」


和弘、その夕美子の声に、

「えっ…???」

夕美子の顔を見て…。


「あっ。いや…。…いや…、ほら…、私には弟がいるから…。」

「あぁ~~。そう…でしたね~。確か…洋造さん…、倫ちゃん…って、言ってましたね~。」


その和弘の声に夕美子、

「わお。ワコウちゃん、凄い、記憶力良い~。うん。倫洋(ともひろ)って言うんだけど…。今年で26になる。私の五つ違い。」


「えっ。じゃ…、僕と同い年。」


「へっ。そうなんだ、ワコウちゃん、今…26…???」

目をパチクリさせて夕美子。


和弘、

「はい。」


「かかかか。そっか~~。へぇ~~。ヨシ。こっから行こうか。へっへぇ~。歴史的財産でもある、ここだよ~。」

「ですね~~。一度は上って見たかったんです。東京タワー。」


「…と、言う事は、当然、初めてだよね~~。」

「えぇ~もちろん。」




そして展望台で東京の景色を眺めながら。


「信玄が…21.そして康太が…24。…で、倫洋が…26.。そして…ワコウちゃんも26.。私の周りに、可愛くって、カッコいい男子ばかりだ。」

「はは。信玄君も康太君も、何だか、凄い話が合うって、感じしますもんね~。」


「でっしょう~~。私大好き、ああいう子たち。とにかく一生懸命。まっすぐなんだよ。たまには…バカ…するけどね~~。まっ、そこが、可愛いかな~~。」

「なんだか…、新條さんの弟さんに…倫洋くん…???会ってみたいですね~~。」


そんな和弘に、

「そっ、会ってみる~~???いいよ~~。ベルモンド…連れてくよ~。…とは…言え…、あいつ…ひとりでは…無理かも…。」

舌を出しながら夕美子。


和弘、変顔で、

「はい…???どうして…???」


夕美子、にやけた顔で…、

「必ずこう言う。なんで、姉ちゃんとふたりで…、なんだよ~~???…って…。」





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