手を握って…。 vol.108 由香里、夕美子、與門、ルイ。「えっ???」
「まさか…あんた…。このままシングルぶっとおすつもりじゃ…、ないでしょうね~。」
どんどん夕美子に詰め寄る由香里。
そんな由香里を見ながら與門、
「おほほほほ。」
夕美子、
「いやいやいやいや。…別に…そんなつもりじゃ。」
右手を立てて左右に振りながら…。
「そんな…つもりは…ない。」
そしてまた小さな声でハッキリと由香里、
「だったら…。」
その時いきなり、
「え~~。凄~~い!!!」
瑞樹たちと洋造たちのエリアで。
由香里、夕美子、與門、ルイ。
「えっ???」
「凄い、凄い。おめでとう~杏美さ~~ん。」
美崎と五月、そして奈賀。
その声を聞いて夕美子、
「あは。」
「えっ…???彼女、杏美さん…、どしたの…夕美子、あんた…何か知ってんの…???」
與門。
由香里とルイも、夕美子の顔を見て…。
夕美子、
「ふふ。杏美さん、ご懐妊で~す。」
與門、
「う~っわ。何と何と。」
由香里、ルイ、
「わぁ~~。ははは。おめでとうございま~す。」
その声が杏美にも届いた。夕美子たちの方に振り向いて杏美、
「ありがとうございます。」
ぺこりとお辞儀をして。
「けけけ。この前、若ちゃんに店に引っ張ってこられてね~。そん時、若ちゃん、ついうっかり、口から飛び出ちまった。な~訳よ、杏美ちゃん。聞くところ、蜷川ちゃんと若ちゃんしか知らないって言うから。」
瑞樹に洋造。
「あら~~。そうだったんだ~。ふふ…。麻亜羅社長には…悪いけど…。杏美にも、素敵なお披露目になったみたい。」
瑞樹。
そんな杏美にゆっくりと近づくヒサコ。
ルイ、由香里の傍で、
「ママ…。」
杏美の前でヒサコ、にっこりと笑って、そして杏美の右手を持ち、
「おめでとう~。是非、可愛い赤ちゃん、お願いしますよ~。」
そしてヒサコに、
「社長、どうぞ。」
ミーガンが花束を渡す。
ヒサコ、
「これ…、私からのご懐妊のお祝い。ふふ…。出産前じゃないけど…。ベビーシャワーと思ってくれたら…嬉しい~。」
そして周りを見渡して、
「みなさ~ん。こちら、桜華のソフィア様の編集者の方…。」
そして杏美を見て、
「確か…、葛西…杏美さんって…言ったかしら…???」
杏美、いきなり自分の名前を言われてビクリとしながら、
「え…、えぇ…。」
そしてまた周りを見渡して、
「ただいま、お腹に赤ちゃ~ん。おめでとうございま~す。」
ミーガンが大きな拍手。
それにつれて、周囲が、
「おぉ~~~。」
拍手が沸き起こる。
優理香、真理恵、賢也、
「わお。」
「んまぁ~素敵~。」
「いやいや、何と何と、こりゃ、ダブルでめでたいな~ママ。」
そして賢也、大きな声で、
「チア――――――ッ!!!コングラッチュレ~ションズ!!!」




