手を握って…。 vol.104 「蜷川編集長、そしてみなさん、こちらへ。」
そんな賢也の声に、思わずクスリとして、
右人差し指を口元に、杏美。
「ん…???どしたの杏美さん…???」
奈賀。
賢也の声に健之、
「とんでもない。どこにでもいる、普通の男性ですよ~~。」
腰を低くして、謙虚な姿勢の健之。
けれども、そんな健之を見れば見るほど可笑しそうに杏美。
奈賀の声に美崎と五月も杏美を見て、
「???」
杏美、何とかごまかす。
「んんん。何でも。」
そう言いながら、
「ぷっ。」
健之、そんな杏美を見て、困った表情で頭を掻く。
瑞樹も、
「ん~~???」
そして、
「ところで…、真理恵…先生…。今日のこのパーティ…???」
真理恵、そんな瑞樹の顔を見て…。にっこりと…、
「優理香。」
そう言って振り返って由香里を見て優理香に目で合図をする。
「蜷川編集長、そしてみなさん、こちらへ。」
ゆっくりと数歩歩いて誘導する優理香。
「麻亜羅社長…。」
ヒサコと由香里。そしてルイと與門、夕美子が話しているところに、
「こちら、スープルがお世話になっている雑誌社、桜華さんの…、ソフィアの皆様…。」
ヒサコ、優理香とソフィアの面々を見て、
「あらぁ~。これは、これは…。この度は、桜華さんには…大変お世話になりました。」
そして一礼をして、
「セントラル・ムードの…、麻亜羅比沙子と申します。」
ヒサコにお辞儀をする瑞樹を始め、ソフィアの面々。
「本日は私ども、セントラル・ムードのパーティにようこそ…。ブリリアント様同様に、よろしくお願い申し上げます。」
にっこりと再びお辞儀をするヒサコ。
優理香、
「実は、私の妹の…、茂木由香里が所属しているが、こちらのセントラル・ムードなんです。…由香里。」
「初めてお目に掛かります。茂木由香里と申します。レディース部門で、チーフディレクターをさせて戴いております。」
由香里、丁寧に挨拶をしながら。
「そしてコチラが麻亜羅社長のお嬢様、麻亜羅瑠偉さん。モデルでもあり、デザイナー。そしてマーケティングまで熟す、素敵な方…。」
その声に目を真ん丸くして頷くソフィアの面々。
「そして…、こちらが…。」
優理香が手を差し出す方向。
そんな優理香に、
「姉さん。」
由香里。
「ふふ…、そうね…。」
「セントラル・ムードのパタンナーでもあり…。私の夫でもあります。茂木悠宇です。」
由香里から紹介されて悠宇、
「茂木悠宇と申します。」
「実は…、茂木由香里のファミリーでもあります棚部様から、今回の麻布セントラル・ムードに関しては、全面バックアップの下、日本にも…と言う事になりまして…。」
ヒサコ。




