手を握って…。 vol.103 「今後とも、マリエールを良しなに。」
そんな和弘に夕美子、
「どしたの…ワコウちゃん…???」
與門、瑞樹、
「さっ、入りましょ。」
和弘、笑いながら右手を振り、さりげなく夕美子に、小さな声で、
「くくくく。いえね。茂木さんから、カジュアルな格好で充分ですよって、言われて…。けど、信玄君も矢萩さんも、その他の編集者も凄いドレスアップで…。」
夕美子、
「はい…???」
そして洋造を見て、
「…いやいや…、おじちゃん…、結構…ダンディじゃない…。ねぇ~。」
洋造、夕美子に流し目をして、
「うるせぃやい。」
與門、
「ぷっ。」
夕美子、
「あ…んまり…、こういうの…着たの、見た事ないけど…。」
洋造、
「あんなぁ~。ほっとけって…。」
與門、
「くくくくくく…ぷっふぅ。…いやいや。いいよ、おじちゃん。さすがは私のおじちゃんだわ。」
ぶすっとした顔をして洋造、
「煌ぉ~~。」
「はいはい。はいはい。楽しみましょう~。」
洋造、頭の中で…、
「…肩っ苦しくって…、しゃあねぇけど…。ま、俺にしちゃあ…一張羅だ。処分しなくって…、良かったってか…。」
少し離れたところでルイが夕美子に気付いて手を挙げる。そして隣の由香里に。
それが合図になったのか、他の数人も夕美子と與門の方に視線を向ける。
由香里が夕美子に近づいて、
「いらっしゃい、夕美子。それに信玄ちゃん。お疲れ様~。ふふ。そして、洋造さんにワコウちゃんも…。與門編集長、今回はお世話になりました。」
実は、このパーティの2週間後には桜華、女性誌ブリリアントから、
麻布セントラル・ムードを含めた特集誌が創刊される。
しかも、既に由香里とルイはこのパーティまでベルモンドには数回通っている。
そして別の方向では瑞樹と握手をしている女性、棚部優理香である。
「お世話様です。いらっしゃいませ、蜷川編集長、そして、みなさんも…。」
そしてソフィアの面々に母親の真理恵と賢也を紹介。
それぞれ握手を交わしながら、真理恵、
「ようこそ。ソフィアの皆さん。蜷川編集長。そして…、初めましての方も…。棚部真理恵と申します。…そして…。」
凡そ初対面である真理恵の夫でもある棚部賢也、
「初めまして…、みなさんとは…初めてですね~。今後とも、マリエールを良しなに。」
ソフィアのそれぞれの編集者に丁寧に挨拶する賢也。
「それにしても…、編集者とは思えない…良い体…してますね~。」
健之を見ながら…。




